師走に入り、街もオフィスも慌ただしい雰囲気に包まれる季節になりました。一年間の業務を締めくくるにあたり、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える「年末の挨拶」は、ビジネスにおいてもプライベートにおいても非常に重要なコミュニケーションの一つです。しかし、いざメールやメッセージを送ろうとすると、「いつ送れば失礼にならないか」「どのような内容なら好印象か」「件名はどうすべきか」といった疑問で筆が止まってしまうことも少なくありません。
適切なタイミングと丁寧な言葉選びで送られた挨拶は、相手の心に強く残り、来年以降の関係性をより良好なものにしてくれます。逆に、マナーを欠いた対応をしてしまうと、せっかくの感謝の気持ちが伝わらないばかりか、信頼を損ねてしまうリスクさえあります。特にビジネスシーンでは、形式的な定型文だけでなく、相手とのエピソードを交えた温かみのある文章が求められる傾向にあります。
そこで、このガイドでは、ビジネスメールからSNSでのカジュアルなメッセージまで、相手別・シーン別に使える年末の挨拶例文を豊富に用意しました。マナーや注意点もしっかり解説しますので、これさえ読めば迷うことなく、自信を持って一年の感謝を伝えられるようになります。
この記事でわかること
- ビジネスメールやSNSで使える相手別の年末挨拶例文
- 相手に失礼にならない最適な送信タイミングと件名のマナー
- 喪中の方への配慮やBCC送信の是非など注意すべきポイント
- 好感度を上げ来年の仕事に繋げるための具体的な文章テクニック
年末の挨拶メールを送る際のマナーとタイミング【基本編】
素晴らしい文面のメールを作成しても、送るタイミングや基本的なマナーが守られていなければ、その効果は半減してしまいます。特に年末は誰もが多忙を極める時期ですので、相手の状況を思いやる配慮が不可欠です。まずは、例文を見る前に押さえておくべき、年末の挨拶における「いつ」「どのように」という基本ルールについて詳しく解説します。これを知っておくだけで、相手に与える印象が「気が利く人」へと大きく変わります。
最適な送信時期はいつ?「仕事納め」を意識したスケジュール
年末の挨拶メールを送る際に最も悩むのが「いつ送るべきか」という問題です。一般的に、企業の最終営業日(仕事納め)は12月28日頃が多くなりますが、最終日当日は大掃除や納会、急ぎの対応などでバタバタしている可能性が高いです。そのため、相手が余裕を持ってメールを確認できるよう、相手の最終営業日の3〜5日前から前日までを目安に送信するのがベストです。カレンダーを確認し、クリスマス明けの26日頃から順次送り始めるとスムーズでしょう。
もし、相手の最終営業日が不明な場合は、多くの企業が休みに入る前の12月25日〜27日あたりに送るのが無難です。早すぎると「まだ業務が残っているのに気が早い」と思われかねませんし、逆に年末年始休暇に入ってから送ると、相手のプライベートな時間を邪魔してしまう恐れがあります。もし送信が遅れてしまい、相手がすでに休みに入っていると予想される場合は、件名に「年末のご挨拶(返信不要)」と入れたり、予約送信機能を使わずに年明けの「新年のご挨拶」に切り替えたりする柔軟な対応が求められます。
| 送信時期 | 相手の状況 | 推奨度 |
|---|---|---|
| 12月20日以前 | 通常業務の真っ只中 | 時期尚早(早すぎる印象) |
| 12月25日~27日 | 業務整理・締め作業 | ◎(ベストタイミング) |
| 12月28日(最終日) | 大掃除・納会・多忙 | △(午前中なら可) |
| 12月29日以降 | 年末年始休暇中 | ×(年明けの挨拶に切り替える) |
上記の表を目安に、自分のスケジュールと照らし合わせながらリストアップを進めておくと、年末の忙しい時期でも慌てずに済みます。
件名の書き方で印象が決まる!開封率を上げるポイント
年末はメールの受信数が普段以上に増える時期です。多くの挨拶メールや業務連絡の中に埋もれてしまわないよう、件名は一目で「誰からの」「何の用件か」がわかるように工夫する必要があります。「ご挨拶」や「お礼」といった抽象的な件名だけでは、スパムメールと間違われたり、優先度が低いと判断されて開封が後回しにされたりする可能性があります。会社名と氏名を必ず件名に含めることが、ビジネスメールの鉄則です。
具体的には、「年末のご挨拶【株式会社〇〇 氏名】」や「【御礼】年末のご挨拶(株式会社〇〇 氏名)」といった形式が基本です。もし、年末年始の休業期間のお知らせも兼ねている場合は、「年末のご挨拶と休業のお知らせ【株式会社〇〇 氏名】」と明記することで、相手にとって重要な情報が含まれていることをアピールできます。親しい間柄であれば、「本年も大変お世話になりました【氏名】」のように、少し柔らかい表現を使っても良いでしょう。いずれにせよ、相手が受信トレイを見た瞬間に内容を把握できる配慮が、開封率を高める鍵となります。
一斉送信(BCC)はアリ?ナシ?相手に失礼にならない配慮
多数の取引先や関係者に挨拶を送る際、BCCを使った一斉送信を検討することもあるでしょう。しかし、結論から言えば、重要な取引先や特にお世話になった方に対しては、個別にメールを送るのが基本マナーです。一斉送信は効率的ですが、受け取った側には「その他大勢への定型文」という印象を与えてしまい、感謝の気持ちが伝わりにくくなります。特に目上の方や主要なクライアントに対しては、手間を惜しまず一通ずつ作成することをおすすめします。
どうしても数が多く、担当者レベルなどで一斉送信を行う場合は、以下の点に注意してください。まず、必ず「BCC」に宛先を入れ、互いのアドレスが見えないようにすること。これは情報セキュリティの観点から絶対条件です。そして、文面の冒頭に「BCCにて失礼いたします」や「一斉送信にて失礼いたします」といったお詫びの一文を添えるのが礼儀です。また、内容は特定の誰かに向けたものではなく、汎用的な内容にならざるを得ないため、休業案内などの事務的な連絡を主目的とし、感謝の情熱を伝えるのは個別の機会に譲るという割り切りも必要になります。
【社外・取引先】ビジネスで好印象を与える年末の挨拶メール例文

取引先への年末挨拶は、一年の感謝を伝えると同時に、来年もスムーズに取引を継続するための重要な布石です。ここでは、そのまま使える基本のテンプレートから、相手との関係性を深めるためのアレンジ術まで紹介します。定型文をベースにしつつ、自分らしい言葉を少し加えるだけで、相手の心に残るメッセージになります。
定番かつ丁寧な基本の挨拶文テンプレート
まずは、どのような相手にも失礼なく使える標準的な構成のテンプレートを紹介します。ビジネスメールの基本構造である「宛名」「挨拶」「今年のお礼」「来年の抱負」「休業案内(必要であれば)」「結び」の流れを押さえています。この構成を守ることで、礼儀正しく誠実な印象を与えることができます。
件名:年末のご挨拶【株式会社〇〇 自分の氏名】
株式会社△△
〇〇部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の(自分の氏名)でございます。
本年も残すところあとわずかとなりましたが、
貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は多大なるご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年は、〇〇プロジェクトにおいて〇〇様のお力添えをいただき、
無事に成果を上げることができました。心より感謝しております。
来年も、貴社のお役に立てるよう誠心誠意努力する所存ですので、
より一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、弊社の年末年始の休業期間は以下の通りです。
休業期間:12月〇日(土)~1月〇日(日)
※1月〇日(月)より通常営業いたします。
時節柄、ご多忙のことと存じますが、くれぐれもご自愛ください。
来年も相変わらぬご愛顧を頂けますようお願い申し上げて、
歳末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
————————————————–
署名
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このテンプレートを使用する際は、必ず相手の会社名や部署名、担当者名に間違いがないか再確認してください。特に年末は集中力が低下しがちですので、宛名のミスは致命的です。
一年の感謝を伝える!具体的なエピソードを盛り込むコツ
定型文だけでは、どうしても事務的な印象になってしまいがちです。相手との距離を縮め、「この人と仕事ができてよかった」と思ってもらうためには、今年一年で共有した具体的なエピソードを盛り込むことが最も効果的です。過去のメールや議事録を見返し、相手に助けられた場面や一緒に達成した成果などを思い出してみましょう。
例えば、「4月のシステム移行の際は、〇〇様の迅速なご対応のおかげで大きなトラブルなく乗り切ることができました。あの時の的確なアドバイスには、チーム一同大変感謝しております」といった具体的な記述を加えます。また、「〇〇様との打ち合わせの時間は、私にとって常に新しい発見があり、大変勉強になりました」といった個人的な感想を添えるのも良いでしょう。ほんの数行の追加ですが、これがあるだけで「自分のことをちゃんと見てくれている」「大切にされている」と相手は感じ、信頼関係が深まります。自分にしか書けないオリジナルな言葉こそが、最高の挨拶になります。
年末年始の休業案内を兼ねる場合の構成と注意点
実務的な観点から、年末の挨拶メールには「年末年始の休業期間」の案内を兼ねることが一般的です。ここで重要なのは、いつからいつまで連絡が取れないのか、緊急時はどうすればよいのかを明確にすることです。挨拶文の後半、結びの言葉の前に別記書きでわかりやすく記載しましょう。文章の中に埋め込んでしまうと、見落とされる可能性があるため注意が必要です。
| 項目 | 記載すべき内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 休業期間 | 開始日と終了日(曜日含む) | 箇条書きで目立たせる |
| 営業開始日 | 年始の最初の営業日と時間 | 「〇日〇時より」と明記 |
| 緊急連絡先 | 携帯電話や対応可能な担当者 | 必要な場合のみ記載 |
特に緊急連絡先については、本当に対応できる場合のみ記載するようにしましょう。記載しておきながら電話に出られないと、かえってトラブルの原因になります。「休業期間中にいただきましたメールへのご返信は、1月〇日以降に順次対応させていただきます」と一言添えておくと、相手も返信を待つストレスが軽減され、親切です。
【社内・上司・同僚】円滑な人間関係を築く年末の挨拶メール例文
社外への挨拶と同様に、社内の上司や同僚への挨拶も重要です。リモートワークが普及した現在では、最終出社日に直接顔を合わせられないケースも増えています。メールやチャットツールを使って、一年間の感謝と労いを伝えることで、来年のチームワーク向上につなげましょう。
上司への感謝と来年の抱負を伝えるメール構成
上司への挨拶メールでは、「指導に対する感謝」と「来年に向けた前向きな姿勢」の2点を伝えることがポイントです。日頃の指導やお礼を言葉にすることは案外少ないものです。年末という節目を利用して、素直な感謝を伝えましょう。ここでも、「〇〇のプロジェクトでご指導いただいたおかげで〜」のように具体性を持たせると響きます。
件名:年末のご挨拶(氏名)
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
本年も大変お世話になりました。
未熟な私に対し、粘り強くご指導いただきましたこと、深く感謝申し上げます。
特に、秋のキャンペーン施策で行き詰まっていた際に部長から頂いたアドバイスは、
私にとって大きな気づきとなり、結果につなげることができました。
来年は、教えていただいたことを活かし、チームの目標達成にさらに貢献できるよう精進いたします。
ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
寒さも厳しくなってまいりましたので、どうぞご自愛いただき、良いお年をお迎えください。
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署名
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このように、謙虚な姿勢と成長意欲を示すことで、上司からの信頼感は一層高まります。
同僚・部下へ労いの言葉をかける温かいメッセージ
同僚や部下に対しては、堅苦しすぎる表現よりも、「一年間お疲れ様でした」「ありがとう」という労いと親しみを込めたメッセージが好まれます。共に現場で苦労を分かち合った仲間として、共感の言葉を添えるのが良いでしょう。「あの時のトラブル対応、〇〇さんがいてくれて本当に助かったよ」といった具体的な感謝は、モチベーションアップにもつながります。
部下へのメッセージであれば、「今年は〇〇ができるようになって、大きく成長したね。来年も期待しているよ」といった承認の言葉を含めると、来年への意欲を引き出すことができます。ただし、上から目線になりすぎないよう注意が必要です。「来年も一緒に頑張ろう」というフラットなスタンスで締めくくると、チームの一体感が生まれます。チャットツールなどで送る場合は、少しカジュアルなトーンでも問題ありませんが、丁寧語(です・ます)を崩しすぎない方がビジネスとしての節度を保てます。
最終出社日に送る挨拶メールのタイミングと内容
社内への挨拶メールは、最終出社日の夕方や退社直前に送るのが一般的です。あまり早い時間に送ると、「もう仕事が終わったのか」と思われたり、その後の業務連絡でメールが埋もれてしまったりする可能性があります。自分の業務が一段落し、周囲も片付けモードに入ったタイミングを見計らって送信しましょう。
内容は簡潔にし、長文になりすぎないよう配慮します。年末年始の休暇中に緊急の連絡が必要な場合の連絡手段や、休暇中の業務の引き継ぎ事項がある場合は、このメールではなく事前に別の業務連絡として済ませておくのがマナーです。挨拶メールはあくまで「情緒的な締めくくり」として位置づけ、清々しい気持ちで一年を終えられるような内容を心がけましょう。もし、シフト制などで相手の最終出社日が自分より早い場合は、相手の最終日に合わせて事前に送っておく気遣いも大切です。
SNSやLINEで送る!カジュアルでも丁寧な年末挨拶のコツ
近年では、仕事関係の相手ともLINEやFacebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSで繋がっているケースが増えています。メールよりも手軽に送れる反面、距離感やマナーを誤ると失礼にあたることもあります。SNSならではの特性を活かした、好感度の高い挨拶テクニックを紹介します。
LINEで送る場合のスタンプ活用術と文章のバランス
LINEでの挨拶は、相手との親密度によって使い分けが必要です。親しい同僚や先輩であれば、文章の後に「お疲れ様でした!」といったスタンプを一つ添えることで、堅苦しさが和らぎ、親近感を演出できます。しかし、直属の上司や取引先など、あくまでビジネスライクな関係の場合は、スタンプの使用は控えるか、非常にシンプルなものに留めるべきです。基本はテキスト中心で構成し、絵文字も使いすぎないよう注意しましょう。
文章量は、スマートフォンの画面でスクロールせずに読める程度(3〜5行程度)が理想的です。長文のLINEは読むのに負担がかかります。「今年は〇〇プロジェクトでお世話になりました!来年もよろしくお願いします。良いお年を!」くらい簡潔な方が、返信する側も気楽です。また、LINEは通知が相手のプライベートな時間に届くことを意識し、深夜や早朝の送信は絶対に避けてください。大晦日の夜などは通信が混雑するため、少し早めの夕方に送るなどの配慮もスマートです。
X(Twitter)やInstagramで発信する一年の振り返り投稿
個別のメッセージではなく、自身のタイムラインやフィードで全体に向けて挨拶を投稿する場合もあります。これは、自分の活動をアピールしつつ、フォロワー全体に感謝を伝える良い機会です。X(旧Twitter)では、今年一番反響があった出来事や、仕事での成果を引用リポストする形で振り返り、「今年も多くの出会いに恵まれました。関わってくださった皆様ありがとうございました」とまとめると、ストーリー性が生まれます。
Instagramのストーリーズやフィード投稿では、視覚的な要素が重要です。オフィスの風景、仕事道具、あるいはチームメンバーとの集合写真(許可が必要)など、一年の象徴となる写真を選びましょう。文章は「#仕事納め」「#年末の挨拶」といったハッシュタグを活用しつつ、少しエモーショナルな文章で今年一年を総括します。ビジネスアカウントであれば、来年のビジョンや目標を宣言することで、フォロワーの期待感を高める効果も期待できます。
クライアントとSNSで繋がっている場合の距離感とマナー
クライアントとSNSで相互フォローしている場合、DM(ダイレクトメッセージ)で挨拶を送るべきか、メールにするべきか迷うことがあります。基本的には、公式な挨拶はメールで行い、SNSは補助的なコミュニケーションツールとして捉えるのが無難です。重要な取引先に対してSNSのDMだけで年末の挨拶を済ませるのは、軽視していると受け取られるリスクがあるため避けましょう。
ただし、普段からFacebookメッセンジャーやLINEで業務連絡を取り合っているほど密な関係であれば、そのツールを使って挨拶を送っても問題ありません。その際も、あまり砕けすぎず、最低限の敬語と礼儀を保つことが大切です。また、相手のSNS投稿に対して「いいね」や簡単なコメントで挨拶を済ませる方法もあります。「今年も素敵な投稿を楽しみに拝見していました。良いお年をお迎えください」といったコメントを残すことで、相手の負担にならずに存在感をアピールできる、程よい距離感のテクニックです。
年末の挨拶で絶対に避けるべきNG行動と注意点
良かれと思って送った挨拶が、マナー違反で相手を不快にさせてしまっては本末転倒です。年末年始は文化的な行事も関わってくるため、特有のタブーが存在します。ここでは、特に注意すべき3つのNGポイントを解説します。
喪中の相手への配慮と「年末の挨拶」の言葉選び
相手が喪中である場合、年末の挨拶をしてよいのか迷うことがありますが、結論から言えば「年末の挨拶」自体は問題ありません。ただし、「おめでとうございます」やお祝いを連想させる言葉の使用は厳禁です。年賀状は控えるのがマナーですが、今年一年の感謝を伝える年末の挨拶メールは、お世話になったお礼ですので送っても失礼にはあたりません。
文面では、「良いお年をお迎えください」という表現を避ける傾向があります。「良いお年を」には「(来年も)良い年になりますように」という祝いのニュアンスが含まれると解釈されることがあるためです。代わりに、「本年は大変お世話になりました。来年も変わらぬご厚誼をお願い申し上げます」や「寒さ厳しき折、ご自愛ください」といった表現で留めるのが賢明です。相手の状況を察し、派手な装飾や明るすぎるトーンを避けた静謐な文面を心がけましょう。
誤字脱字や宛名間違いを防ぐための最終チェックリスト
テンプレートをコピペして使い回していると起きやすいのが、前の相手の会社名や氏名が残ってしまうミスです。これは大変失礼にあたり、信頼を一瞬で失います。送信ボタンを押す前に、以下のチェックリストを使って必ず確認を行ってください。特に「様」の敬称抜けや、漢字の間違い(「斎藤」と「斉藤」など)は要注意です。
- 会社名、部署名、役職、氏名(漢字)に間違いはないか
- 件名に自分の社名と氏名が入っているか
- 「株式会社」を(株)と略していないか(ビジネスでは略さないのが基本)
- テンプレートの「〇〇様」などの修正忘れがないか
- 休業期間の日付や曜日に誤りがないか
一度プリントアウトして読み上げるか、時間を置いてから見直すとミスに気づきやすくなります。
年明けの挨拶(年始)との使い分けと兼ねるケース
「年末の挨拶を送ったら、年始の挨拶は不要?」という疑問もよく聞かれますが、基本的には「年末は一年の感謝」「年始は新しい年のお付き合いのお願い」として、別々に送るのが理想です。両方送ることで、より丁寧な印象を与えることができます。
しかし、相手の最終営業日ギリギリに連絡する場合や、互いに多忙でメールのやり取りを減らしたい場合は、年末のメールに「来年もどうぞよろしくお願いいたします」と添えることで、年始の挨拶を兼ねるケースも増えています。その際は、「年明けは〇日より営業いたします。ご連絡はそれ以降になりますが〜」と実務的な流れを含めておくと自然です。ただし、重要な取引先には、やはり年明けの営業開始後に改めて「謹賀新年」のメールを送る方が、ビジネスチャンスを逃さないためにも有効です。
よくある質問(FAQ)
- 年末の挨拶メールに返信は必要ですか?
-
基本的には返信するのがマナーです。相手はこちらを気遣って挨拶を送ってくれているため、無視をするのは失礼にあたります。「ご丁寧にご挨拶いただきありがとうございます」と感謝を伝えつつ、こちらも同様に年末の挨拶と来年のお願いを伝えると良いでしょう。ただし、件名や本文に「返信不要」と明記されている場合は、相手の忙しさを考慮して返信を控えても問題ありません。
- メールの件名に「緊急」と入れてもいいですか?
-
年末の挨拶メールには「緊急」や「至急」といった言葉を入れるべきではありません。挨拶は緊急の用件ではないため、相手を驚かせてしまいます。もし緊急の案件がある場合は、挨拶メールとは別に、件名を分けた業務メールとして送るようにしましょう。用件を混ぜてしまうと、挨拶の情緒も緊急案件の重要度もどちらも中途半端になってしまいます。
- 年賀状を送る相手にもメールで挨拶すべきですか?
-
年賀状を送る予定があっても、ビジネスにおいてはメールでも年末の挨拶をしておくのがベターです。年賀状は元旦以降に届きますが、年末の挨拶メールは仕事納めの区切りをつけるためのものです。メールで直近の業務のお礼と休業案内を伝え、年賀状で改めて新年の挨拶をするという役割分担と考えれば、重複しても全く問題ありません。
まとめ
年末の挨拶は、単なる形式的なマナーではなく、一年間の感謝を伝え、来年の良好な関係を築くための大切なコミュニケーションの機会です。忙しい時期だからこそ、相手を思いやる一言や、具体的なエピソードを添えた温かいメッセージが心に響きます。
最適なタイミング(仕事納めの数日前)、わかりやすい件名、そして相手別の適切な文章構成を意識することで、あなたの好感度は確実にアップします。今回紹介した例文を参考に、ぜひあなた自身の言葉を加えて、素敵な年末の挨拶を送ってみてください。良い形で一年を締めくくり、気持ちよく新しい年を迎えましょう。
