12月に入ると街中が慌ただしくなり、ビジネスの現場でも年末に向けたラストスパートが始まります。この時期、社会人として避けて通れないのが「年末の挨拶回り」や「お歳暮」、そして「年末の挨拶メール」といった特有のビジネスマナーです。「挨拶回りはいつから始めるべき?」「お歳暮を贈る時期は地域によって違うの?」「メールの文面はどうすれば失礼にならない?」など、この時期特有の悩みを抱えている方は非常に多いのではないでしょうか。
年末の振る舞いは、一年間の感謝を伝え、来年以降の良好な関係を築くための非常に重要なステップです。ここでマナーを欠いた対応をしてしまうと、一年間の努力が水の泡になってしまう可能性さえあります。逆に言えば、正しいマナーでスマートに対応できれば、取引先や社内の評価をぐっと高める絶好のチャンスとも言えるのです。
この記事でわかること
- 年末の挨拶回りに適した時期とアポイントの取り方
- お歳暮の選び方や贈る時期、辞退された場合の対応
- 社外・社内別の年末挨拶メールの書き方とそのまま使える文例
- 仕事納めや納会での振る舞いなど、最終出社日のマナー
年末の挨拶回りの基本マナーと最適な時期
年末の挨拶回りは、一年間の感謝を直接伝え、来年の取引継続をお願いする日本のビジネス習慣における重要な行事です。近年ではメールやオンラインで済ませるケースも増えていますが、重要顧客や日頃からお世話になっている取引先には、やはり対面で挨拶をすることが礼儀とされています。相手の繁忙期に配慮しつつ、失礼のないように進めるためのポイントを詳しく解説します。
挨拶回りに適した時期とアポイントの取り方
年末の挨拶回りは、一般的に「12月中旬から仕事納めの2〜3日前まで」に行うのが基本とされています。具体的には、12月15日頃から25日頃までが最も適した期間と言えるでしょう。12月に入ってすぐだと「少し気が早い」と感じられることがあり、逆に仕事納めの前日や当日は、相手も締め作業や大掃除、納会などで極度に忙しい可能性が高いため避けるのが無難です。相手企業の最終営業日を事前にリサーチし、余裕を持ってスケジュールを組むことが大切です。
アポイントメントに関しては、相手との関係性によって対応が異なります。日常的に頻繁にやり取りをしている親しい間柄であれば、メールや電話で「近くまで行くのでご挨拶に伺いたい」と伝える程度でも問題ない場合があります。しかし、基本的には事前にしっかりとアポイントを取るのがマナーです。「年末のご挨拶にお伺いしたいのですが」と目的を明確に伝え、相手のスケジュールを優先して調整しましょう。特に年末は会議や外出が立て込む時期ですので、アポイントなしの訪問(飛び込み)は、相手に多大な迷惑をかけるだけでなく、「非常識な人だ」という印象を与えかねないため、極力控えるべきです。
もし、どうしてもアポイントが取れずに訪問する場合や、ルート営業の一環として回る場合は、玄関先や受付での挨拶のみに留め、長居をしないよう配慮します。「お忙しいところ申し訳ございません。本日はご挨拶だけで失礼いたします」と一言添えるだけで、相手への配慮が伝わります。
手土産の選び方と渡し方のマナー
挨拶回りに持参する手土産は、相手への感謝の気持ちを目に見える形で表すものです。選び方の基本としては、「日持ちするもの」「個包装されているもの」「常温保存が可能なもの」が鉄則です。年末年始は会社が休みになるため、賞味期限が短い生菓子などは避け、年明けまで美味しく食べられるクッキーや煎餅、マドレーヌなどの焼き菓子が好まれます。また、部署の人数が多い場合でも行き渡るよう、数は多めに入っているものを選ぶと良いでしょう。
カレンダーや手帳などの自社ノベルティを持参する場合も多いですが、これらはあくまで「販促品」としての側面が強いため、きちんとした手土産(お菓子など)とは別物と考えた方が無難です。重要な取引先には、お菓子に加えてカレンダーをお渡しする、という組み合わせが一般的です。相場としては、相手との関係性にもよりますが、3,000円〜5,000円程度が失礼にならず、かつ相手に気を使わせない適切な金額と言えます。
渡し方についてもマナーがあります。応接室に通された場合は、部屋に入ってすぐに渡すのではなく、挨拶が済み、着席する前や一通り話が終わったタイミングでお渡しするのがスマートです。紙袋から品物を取り出し、正面を相手に向けて「本年は大変お世話になりました。心ばかりですが、皆様で召し上がってください」と両手で差し出します。紙袋は基本的に持ち帰るのがマナーですが、相手が「そのままで結構です」とおっしゃった場合や、紙袋がないと持ち運びが不便な状況であれば、そのままお渡ししても構いません。
| 項目 | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| 選定基準 | 個包装・日持ち・常温保存 | 生菓子や切り分けが必要なものは避ける |
| 予算相場 | 3,000円〜5,000円 | 高価すぎると逆に気を遣わせる |
| 渡すタイミング | 挨拶の後、本題に入る前など | 紙袋から出して正面を相手に向ける |
| のし紙 | 「御歳暮」または「粗品」「御挨拶」 | 内のし・外のしを状況で使い分ける |
このように、手土産一つとっても細かい配慮が必要です。相手が受け取った後のことまで想像して品物を選ぶことが、ビジネスパーソンとしての質を問われるポイントとなります。
相手が不在だった場合の対処法と名刺の残し方
年末の多忙な時期、アポイントを取っていても急な会議やトラブル対応で担当者が不在になることは珍しくありません。また、アポイントなしで訪問した場合は、不在である確率はさらに高まります。もし担当者が不在だった場合は、受付の方や代理の方に名刺と手土産を託すことになりますが、ここでもマナーが問われます。
まず、名刺には「訪問したこと」がわかるようにメッセージを残します。名刺の余白に「年末のご挨拶に伺いました。本年も大変お世話になりました」と手書きで書き添えるのが一般的です。また、昔ながらの慣習として名刺の右肩を少し折る(または「歳末挨拶」というスタンプを押す)方法もありますが、最近では名刺をデータ管理する企業も増えているため、折り曲げること自体を嫌うケースもあります。手書きのメッセージを添えるか、名刺とは別に一筆箋や付箋にメッセージを書いて名刺に貼っておく方が、丁寧で確実な印象を与えます。
手土産を預ける際は、誰から誰宛てのものかが明確になるように、外のしをつけておくか、名刺を添えて渡します。そして、帰社した後や移動の合間に、必ず担当者宛にメールを送っておきましょう。「本日、年末のご挨拶に伺いましたが、ご不在でしたので受付の方に名刺とお品物をお預けいたしました。本年は大変お世話になり、ありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧をお願い申し上げます」といった内容を送ることで、訪問した事実を確実に伝え、丁寧なフォローを入れることができます。
お歳暮を贈る際の正しい手順とタブー

お歳暮は、日頃お世話になっている方への感謝の気持ちと、相手の健康や繁栄を願う気持ちを込めて贈る季節の贈り物です。個人間で贈ることもありますが、ビジネスにおいては取引先との関係強化という重要な意味合いを持ちます。しかし、贈る時期や品物の選び方、さらには近年増えているコンプライアンス上の理由による「受け取り辞退」への対応など、注意すべき点が多々あります。
送る相手の選定と予算相場(会社対会社の場合)
ビジネスでお歳暮を贈る場合、まずは「誰に贈るか」のリストアップから始めます。基本的には、継続的に取引があり、特にお世話になった企業や、今後関係を深めていきたい重要顧客が対象となります。ただし、一度贈ると翌年以降も贈り続けるのが通例となるため、一時的な取引関係の相手に安易に贈るのは避けた方が良い場合もあります。社内で過去の送付リストを確認し、上司と相談して慎重に決定しましょう。
予算の相場は、相手との関係の深さによって異なりますが、一般的な取引先であれば3,000円〜5,000円程度、特にお世話になった上得意先や会社役員クラスの方宛てであれば5,000円〜10,000円程度が目安となります。あまりに高額な品物を贈ると、かえって相手に負担を感じさせたり、「何か裏があるのではないか」と勘繰られたりする恐れがあるため注意が必要です。逆に安すぎても失礼にあたるため、相場の範囲内で相手が喜びそうなものを選ぶセンスが問われます。
品物選びでは、相手企業の業種や環境を考慮することが大切です。例えば、女性社員が多い職場であれば小分けにできるスイーツやジュース、男性が多い職場や夜遅くまで稼働している職場であれば、手軽に飲めるコーヒーや栄養ドリンクなどが喜ばれることもあります。競合他社の商品を贈ってしまったり、相手企業の不利益になるようなものを贈ったりすることは絶対のタブーですので、事前のリサーチは入念に行いましょう。
贈る時期(関東・関西の違い)と送り状の書き方
お歳暮を贈る時期には地域差があることをご存知でしょうか。一般的に、関東地方では「12月初旬から12月31日」まで、関西地方では「12月13日(事始め)から12月31日」までとされています。しかし近年では、年末の配送混雑を避けるためや、早めに感謝を伝えるために、全国的に時期が早まる傾向にあり、11月下旬から発送を開始するケースも増えています。ビジネスの場合は、12月20日頃までに相手の手元に届くように手配するのが無難です。年末ギリギリになると、相手が既に休暇に入ってしまい受け取れない可能性があるからです。
また、品物を送る際には、必ず「送り状」を添えるか、品物よりも先に届くように別送するのが正式なマナーです。送り状には、時候の挨拶、日頃の感謝、贈り物を送った旨、相手の健康や繁栄を祈る言葉などを記します。最近では、品物に簡易的なメッセージカードを添えるだけで済ませることもありますが、重要な取引先に対しては、封書で正式な送り状を出すことで、より丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。
| 地域 | 贈る時期の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 関東 | 12月1日〜12月20日頃 | 最近は11月末から贈る傾向も |
| 関西 | 12月13日〜12月20日頃 | 事始め(12/13)以降が基本 |
| 全国共通 | 遅くとも12月25日頃まで | 休暇前に届くよう配慮が必要 |
もし手配が遅れて年内に届かない場合は、のし紙の表書きを「御年賀」(松の内まで)や「寒中御見舞」(松の内以降)に変えて贈るようにしましょう。この場合も、事前にその旨を伝える連絡を入れるのがマナーです。
近年増えている「お歳暮辞退」への対応方法
近年、コンプライアンス(法令遵守)やガバナンスの強化、あるいは儀礼廃止の流れを受けて、「お中元やお歳暮などの贈答品は一切受け取らない」と宣言する企業が増えています。これを「儀礼辞退」や「贈答廃止」と呼びます。もし、贈ろうとしていた相手先から「お歳暮辞退」の通知が届いたり、Webサイト等で公表されていたりする場合は、無理に贈ることは絶対に避けましょう。「せっかくだから」「気持ちだから」と贈ってしまうと、相手に返送の手間をかけさせたり、相手企業の担当者を社内規定違反のリスクに晒したりすることになり、かえって迷惑になります。
辞退された場合は、品物の代わりに丁寧な「挨拶状」や「年末の挨拶メール」を送ることで感謝の気持ちを伝えます。言葉で感謝を伝えることは禁止されていませんので、心を込めたメッセージを送ることで十分に関係性を維持できます。また、誤って品物を送ってしまい、返送されてきた場合は、すぐにお詫びの連絡を入れましょう。「確認不足でご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした」と真摯に謝罪し、今後はルールを遵守する旨を伝えます。このようなトラブルを避けるためにも、お歳暮リストを作成する際は、毎年必ず相手企業の最新の方針を確認することが重要です。
【文例付き】年末の挨拶メールの送り方
対面での挨拶回りが難しい場合や、遠方の取引先に対しては、メールで年末の挨拶を行うのが一般的です。しかし、メールは手軽な反面、文面やタイミングを間違えると冷たい印象を与えたり、他のメールに埋もれてしまったりするリスクもあります。相手にしっかり読んでもらい、感謝の気持ちが伝わるメール作成のコツを解説します。
メールを送るベストなタイミングと件名の付け方
年末の挨拶メールを送るタイミングは、相手の最終営業日の3日〜1週間前くらいが目安です。相手の最終営業日当日は、納会や大掃除でメールチェックの頻度が下がっている可能性があるため、少し余裕を持って送るのが親切です。もし自分の会社の最終営業日が相手より早い場合は、自分の最終営業日に「本日で弊社の年内業務は終了となります」という内容を含めて送ると良いでしょう。
件名は、一目で内容と送信者がわかるようにすることが最も重要です。年末は受信トレイが挨拶メールで溢れかえるため、「年末のご挨拶」だけでは誰からのメールかわからず、開封を後回しにされてしまう可能性があります。「年末のご挨拶(株式会社〇〇 山田太郎)」や、「【御礼】年末のご挨拶(株式会社〇〇 山田)」のように、件名に会社名と氏名を必ず入れましょう。これにより、相手は優先度を判断しやすくなり、検索性も高まります。
【社外向け】年末のご挨拶メールテンプレート
社外の取引先に送るメールでは、今年一年の感謝を具体的に伝えることと、来年の営業開始日(休業期間)を明確に案内することがポイントです。形式的な挨拶だけでなく、その相手との具体的なエピソード(「〇〇プロジェクトでは大変お世話になりました」など)を一文添えるだけで、温かみのあるメールになります。
件名:年末のご挨拶(株式会社〇〇 氏名)
本文:
株式会社△△
□□部
◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の(氏名)でございます。
本年も残すところあとわずかとなりました。
◎◎様には、本年多大なるご厚情をいただき、厚く御礼申し上げます。
特に、秋口のプロジェクトにおきましては、多大なるご尽力を賜り、誠にありがとうございました。
さて、誠に勝手ながら、弊社の年末年始の業業日程は以下の通りとなっております。
■年末年始休業期間
20xx年12月29日(〇)〜20xx年1月3日(〇)
※新年は1月4日(〇)より通常営業いたします。
休業期間中にいただきましたご連絡につきましては、
1月4日以降、順次対応させていただきます。
来年も、貴社のお役に立てるよう、誠心誠意努力する所存ですので、
より一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
時節柄、ご多忙のことと存じますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
略儀ながらメールにて、年末のご挨拶とさせていただきます。
良いお年をお迎えください。
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署名
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【社内向け】上司・同僚への年末挨拶メールテンプレート
社内向けのメールは、社外向けよりも少し柔らかな表現でも構いませんが、礼儀正しさは崩さないようにします。上司に対しては指導への感謝を、同僚や部下に対しては協力への感謝を伝えます。特に、テレワークなどで直接顔を合わせる機会がない場合は、メールやチャットツールでの挨拶が必須となります。
件名:【年末のご挨拶】本年もありがとうございました(氏名)
本文:
〇〇部長(または各位)
お疲れ様です。(氏名)です。
本年も大変お世話になりました。
未熟な私に対し、〇〇部長には粘り強くご指導いただき、多くのことを学ばせていただきました。
おかげさまで、××の案件も無事に完了することができ、自身の成長を感じております。
心より感謝申し上げます。
来年は、教えていただいたことを活かし、チームの目標達成にさらに貢献できるよう精進いたします。
ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
寒冷の候、体調を崩されませぬようご自愛ください。
良いお年をお迎えください。
————————————————–
署名
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仕事納め・最終出社日の社内マナー
仕事納めの日は、一年を締めくくる最後の日であり、気持ちよく新年を迎えるための準備をする日でもあります。業務の引き継ぎや残務処理だけでなく、環境整備や周囲への挨拶も重要な仕事の一部です。だらだらと過ごすのではなく、メリハリをつけて行動しましょう。
大掃除とデスク整理の重要ポイント
多くの企業では、仕事納めの日に大掃除を行います。これは単に汚れを落とすだけでなく、一年の厄を落とし、神様(年神様)を迎える準備をするという意味合いも含まれています。自分のデスク周りの整理整頓はもちろん、共有スペース(給湯室、会議室、コピー機周りなど)の掃除も積極的に行いましょう。「誰かがやるだろう」と考えず、率先して動く姿勢は周囲から高く評価されます。
特にデスク周りについては、不要な書類のシュレッダー処理や、名刺の整理、PC内のデータ整理も忘れずに行います。机の上を何もない状態にして帰宅することで、年明けの出社時に清々しい気持ちで業務を開始することができます。また、引き出しの中に賞味期限切れのお菓子や飲みかけのペットボトルが残っていないかも必ずチェックしてください。長期休暇中にカビや異臭の原因となり、周囲に多大な迷惑をかけることになります。
退社時の挨拶まわりの順番と言葉遣い
仕事納めの日の退社時は、黙って帰るのではなく、周囲への挨拶回りを行うのがマナーです。基本的には、直属の上司、先輩、同僚、そして他部署でお世話になった方々の順に回ります。上司への挨拶では「本年は大変お世話になりました。ご指導いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします」と、感謝と抱負を伝えます。もし上司が忙しそうにしている場合や、電話中の場合は、タイミングを見計らうか、どうしても無理な場合はメモを残すかメールで挨拶を補足しましょう。
挨拶の言葉としてよく使われる「良いお年を」というフレーズですが、これには「良いお年をお迎えください」という意味が込められています。上司や目上の方に対して使う場合は、「良いお年を」と省略せず、「どうぞ良いお年をお迎えください」と正式な形で伝えるのがより丁寧です。また、相手が喪中の場合は「良いお年を」という言葉は避け、「本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします」と挨拶するに留めるのが配慮ある大人の対応です。
納会・忘年会での振る舞いと注意点
仕事納めの後に、社内で「納会」が行われたり、居酒屋などで「忘年会」が開催されたりすることがあります。これらは一年の労をねぎらう場であり、無礼講と言われることもありますが、あくまでビジネスの延長線上にあることを忘れてはいけません。羽目を外しすぎて上司に馴れ馴れしい態度を取ったり、愚痴や不満を大声で話したりするのは厳禁です。
納会では、普段あまり話す機会のない他部署の人や役員ともコミュニケーションを取れる貴重な機会です。自分から積極的に挨拶に行き、お酌をして回る(昨今の事情で控える場合もありますが、気配りは見せる)など、社交的な振る舞いを心がけましょう。また、翌日から休みだからといって飲みすぎず、節度を持って参加し、最後は「本日はありがとうございました」ときれいに締めくくることが、社会人としての品格を守ることにつながります。
よくある質問(FAQ)
- お歳暮を贈るのを忘れてしまい、年が明けてしまいました。どうすればいいですか?
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年内に届かない場合は、のし紙の表書きを変えて贈ります。1月7日(松の内)までであれば「御年賀」、それを過ぎて立春(2月4日頃)までであれば「寒中御見舞」として贈るのがマナーです。その際、手紙やメールで、贈るのが遅くなったことへのお詫びを一言添えると丁寧です。
- 喪中の取引先にお歳暮を贈っても大丈夫ですか?
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お歳暮は「お祝い」ではなく「感謝の印」であるため、相手が喪中であっても贈ることに問題はありません。ただし、のし紙は紅白の水引ではなく、無地の奉書紙や短冊を使用し、初七日や四十九日などの忌明け前は避けるのが配慮です。また、年明けに贈る場合は「御年賀」という言葉がお祝いを連想させるため避け、「寒中御見舞」として贈ります。
- 挨拶回りの際、相手が不在で名刺も切らしてしまいました。どう対応すべきですか?
-
名刺がない状態で訪問するのは準備不足と言わざるを得ませんが、万が一の場合は、受付の方に口頭で社名と氏名、訪問の趣旨をしっかりと伝え、手書きのメモを残すのが最善です。そして、会社に戻ったらすぐに「名刺を切らしており大変失礼いたしました」とお詫びのメールを送り、改めて挨拶の言葉を伝えましょう。
まとめ
年末のビジネスマナーについて、挨拶回り、お歳暮、メール、そして社内での振る舞いまで詳しく解説しました。やることが多く慌ただしい時期ですが、一つひとつの行動に心を込めることで、あなたの信頼度は確実にアップします。
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 挨拶回りは12月25日頃までに済ませ、アポイントと手土産の準備を万全にする
- お歳暮は地域差を考慮して12月20日頃までに届くよう手配し、辞退の意向がないか確認する
- 年末挨拶メールは件名で誰かわかるようにし、休業期間を明記して最終営業日の数日前に送る
- 仕事納めはデスクの大掃除と周囲への丁寧な挨拶で締めくくり、気持ちよく新年を迎える
これらのマナーを実践し、素晴らしい一年の締めくくりと、飛躍の新年をお迎えください。
