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エルニーニョとラニーニャ、どっちが寒い?2025年冬の気象予報と対策

「今年の冬は寒くなるのかな?それとも暖冬?」
冬の訪れと共に気になるのが、その年の寒さや雪の量ではないでしょうか。ニュースでよく耳にする「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」という言葉。なんとなく気候に影響するのは知っていても、どっちが寒くて、どっちが暖かいのか、即座に答えられる人は意外と少ないものです。

特に2025年の冬は、気象庁の発表やニュースで「ラニーニャ現象に近い状態」という言葉が飛び交い、大雪や厳しい寒さへの警戒が高まっています。もし厳冬になれば、日々の通勤通学はもちろん、光熱費の高騰や野菜の価格、さらには年末年始の帰省計画にまで大きな影響が及ぶでしょう。逆に暖冬であれば、スキー場の雪不足などが懸念されます。

この記事では、エルニーニョとラニーニャの違いを明確にし、それぞれの現象が日本の冬にどのような影響を与えるのかを詳細に解説します。そして、最新の2025年冬の気象予報に基づき、私たちがどのような備えをすべきかを具体的にお伝えします。気象メカニズムを知ることで、今年の冬を賢く、快適に乗り切るためのヒントが得られるはずです。

この記事でわかること

エルニーニョとラニーニャ、どっちが寒い?【結論:ラニーニャが寒い傾向】

結論から申し上げますと、日本の冬が寒くなる傾向が強いのは「ラニーニャ現象」が発生しているときです。一方で、「エルニーニョ現象」が発生しているときは、暖冬になる傾向があります。もちろん、これはあくまで「傾向」であり、その年の他の気象条件によって変動することはありますが、基本のルールとして覚えておくと非常に役立ちます。

なぜラニーニャ現象だと冬が寒くなるのか?

ラニーニャ現象が発生すると、日本の冬が厳しくなる主な理由は、偏西風の蛇行とシベリア高気圧の配置にあります。通常、地球の大気を循環している偏西風は、日本付近を西から東へと流れていますが、ラニーニャ現象が発生している年は、この偏西風が平年よりも南側を蛇行して流れる傾向が強まります。これにより、北極付近にある冷たい空気が日本列島に流れ込みやすくなるのです。

さらに重要なのが「西高東低」と呼ばれる冬型の気圧配置です。ラニーニャ現象時は、大陸にあるシベリア高気圧が強まり、東の海上にある低気圧との気圧差が大きくなります。すると、大陸から日本に向かって吹く冷たい季節風が強烈になり、日本海側では大雪、太平洋側では乾燥した冷たい空気が吹き荒れることになります。例えば、過去にラニーニャ現象が発生した冬には、福井県や新潟県で記録的な豪雪となり、車が数千台立ち往生するといった深刻な被害が出たこともありました。

このように、ラニーニャ現象は単に気温が下がるだけでなく、日本海側の地域を中心に、生活インフラを脅かすほどの大雪をもたらすリスクを高める要因となります。都市部であっても、急な積雪による交通麻痺や、厳しい冷え込みによる水道管の凍結など、日常生活への支障が出やすくなるため、ラニーニャの予報が出た年は最大級の警戒が必要です。

エルニーニョ現象だと暖冬になりやすい理由

一方で、エルニーニョ現象が発生すると、日本の冬は暖かくなる「暖冬」の傾向が強まります。これは、ラニーニャ現象とは逆のメカニズムが働くためです。エルニーニョ現象が発生しているときは、太平洋赤道域の日付変更線付近よりも東側で海面水温が高くなり、積乱雲の活動場所が通常とは異なります。この影響で、日本付近を流れる偏西風が平年よりも北側を蛇行することが多くなるのです。

偏西風が北を流れると、北からの寒気が日本列島まで南下しにくくなります。また、シベリア高気圧の勢力も弱まりがちで、冬型の気圧配置(西高東低)が長続きしません。結果として、寒気の流入が弱く、晴れの日や気温の高い日が増えることになります。具体的には、スキー場に雪が降らずオープンが延期になったり、冬物衣料(ダウンコートや厚手のニットなど)の売れ行きが悪くなったりといった経済的な影響が出ることがよくあります。

しかし、「暖冬だから快適だ」と手放しで喜べるわけではありません。エルニーニョ現象による暖冬の年は、低気圧が日本付近を通過しやすくなることがあり、太平洋側で雪ではなく雨が降る「冬の嵐」に見舞われることがあります。また、気温の変動が激しくなりがちで、暖かい日が続いた後に急激に寒くなるといった「寒暖差疲労」を引き起こしやすく、体調管理が難しくなる側面もあるのです。

【比較表】エルニーニョとラニーニャの違い一覧

ここまで解説したエルニーニョ現象とラニーニャ現象の違いを、一目でわかるように比較表にまとめました。気温や降雪量の傾向だけでなく、発生するメカニズムの核心部分も整理しています。

項目エルニーニョ現象ラニーニャ現象
日本の冬の気温高くなる傾向(暖冬)低くなる傾向(厳冬)
冬型の気圧配置弱まりやすい強まりやすい
日本海側の雪少ない傾向多くなる傾向(大雪警戒)
偏西風の流れ平年より北を流れる平年より南を流れる
海水温の変化東太平洋赤道域で高くなる東太平洋赤道域で低くなる

この表からもわかるように、両者はまさに対照的な現象です。ただし、これらはあくまで気候システムの「癖」のようなものであり、100%必ずこうなると断定できるものではありません。実際の天候は、北極振動やその他の気象要因も複雑に絡み合って決まります。それでも、この傾向を知っておくことで、冬の備えをどの程度強化すべきかの判断材料になることは間違いありません。

【2025年最新】今年の冬は寒い?ラニーニャの影響と長期予報

【2025年最新】今年の冬は寒い?ラニーニャの影響と長期予報

さて、最も気になるのは「今年の冬(2025年12月〜2026年2月)」がどうなるかです。気象庁や各国の気象機関のデータを分析すると、2025年の冬は「前半に厳しい寒さが集中する」という予測が出ています。ラニーニャ現象そのものの発生基準には達していなくとも、それに近い大気の状態が日本の天候に大きく影響を及ぼしそうです。

2025年12月〜2026年1月の気温と降雪量予想

2025年の冬の前半、特に12月から1月にかけては、寒気が日本列島に流れ込みやすい状態が続くと予想されます。最新の長期予報によると、この期間は偏西風が日本付近で南に蛇行する見込みで、これはまさにラニーニャ現象発生時と酷似したパターンです。そのため、北日本から西日本の広い範囲で気温が平年並みか低くなり、寒さが厳しくなる可能性が高いでしょう。

降雪量に関しても注意が必要です。日本海側の海水温が平年よりも高い状態で寒気が流れ込むため、水蒸気が大量に供給され、雪雲が発達しやすくなります。これは「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」と呼ばれる強力な雪雲のラインが形成されやすい状況を意味し、山沿いだけでなく、北陸や山陰の平野部でも短期間でドカ雪となるリスクがあります。年末年始の帰省や旅行を計画している方は、交通機関の乱れを想定した余裕のあるスケジュールを組むことが賢明です。

一方で、2月以降はラニーニャ的な傾向が弱まり、平常の状態へと戻っていくと見られています。そのため、冬の後半は寒さが緩み、春の訪れが早まる可能性もあります。つまり、2025年の冬は「前半に冬の厳しさが凝縮される」というメリハリのある季節変化になると予想されます。寒さ対策は12月の早い段階で万全にしておくべきでしょう。

「ラニーニャ現象に近い状態」とは?発生しなくても寒くなる?

ニュースでよく耳にする「ラニーニャ現象に近い状態」という表現に、首を傾げる方も多いかもしれません。「発生していないなら安心なのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。気象庁の定義では、ラニーニャ現象とは海水温の基準値との差が一定期間(6ヶ月程度)続くことを指します。しかし、たとえ期間が短くて定義上は「発生」とならなくても、海と大気の状態がラニーニャの特徴を示していれば、日本の天候への影響は避けられません。

実際、過去にも「ラニーニャ現象は発生していないが、冬型の気圧配置が強まり厳冬になった」というケースはいくつもあります。海水温の低下が一時的であっても、それによって大気の対流活動が変化し、偏西風を南へ押し下げる力は十分に働きます。2025年の冬もまさにこのパターンに当てはまり、定義上のラニーニャかどうかにこだわらず、実質的なラニーニャの冬として対策を行う必要があります。

具体的には、たとえ「現象は終息に向かっている」という報道があったとしても、大気の反応にはタイムラグがあるため、冬の前半は警戒を解くべきではありません。気象情報は「発生・不発生」という言葉だけでなく、「寒気の流れ込みやすさ」や「偏西風の位置」といった解説に注目することで、より正確なリスクを把握することができます。

日本海側は大雪に警戒!具体的な対策と準備

2025年の冬、特に日本海側に住む方や、その地域へ出かける方が準備すべきことは多岐にわたります。ラニーニャ傾向の冬は、「里雪」と呼ばれる平野部での大雪になりやすい特徴があります。普段あまり雪が積もらない市街地で急激に積雪が増えると、除雪が追いつかず、立ち往生や孤立集落の発生といった災害級の事態に発展しかねません。

まず車の装備ですが、スタッドレスタイヤへの早めの交換はもちろん、チェーンの携行を強く推奨します。「スタッドレスを履いているから大丈夫」と過信してはいけません。近年のドカ雪では、スタッドレスでも登れない坂道や、深雪で動けなくなるケースが多発しています。車内には、防寒着、毛布、スコップ、非常食、簡易トイレ、そしてスマートフォンの充電器を常備しておくことが、命を守ることに繋がります。

家庭においては、停電への備えが最優先です。雪の重みで倒木が発生し、送電線が切れることによる大規模停電は、毎年のようにどこかで発生しています。石油ストーブ(電気を使わないタイプ)やカセットコンロ、カイロ、懐中電灯などの防災グッズを確認してください。また、水道管の凍結防止対策も重要です。特に気温がマイナス4度を下回るような強い寒波が予報された際は、就寝前に水を少し出しっぱなしにする「水抜き」などの対策を忘れずに行いましょう。

気象メカニズムをわかりやすく解説!貿易風と海水温の関係

そもそも、なぜ遠く離れた赤道付近の海の温度が、日本の冬の寒さを左右するのでしょうか。この不思議なつながりを理解するためには、「貿易風」と「海水温」のシーソーのような関係を知る必要があります。ここを理解すると、天気予報を見るのが少し面白くなるはずです。

太平洋赤道域で何が起きている?図解でイメージする仕組み

太平洋の赤道付近では、常に東から西に向かって「貿易風」という風が吹いています。通常の状態では、この風によって暖かい海水が西側(インドネシアやフィリピン近海)に吹き寄せられています。お風呂のお湯を手で片側に寄せると、そちらの水位が上がり暖かくなるのをイメージしてください。逆に東側(ペルー沖)では、足りなくなった海水を補うために、海の深いところから冷たい水が湧き上がってきます。

ラニーニャ現象が発生しているときは、この貿易風が普段よりも強く吹きます。すると、暖かい海水がさらに西へ西へと追いやられ、インドネシア付近の海水温が平年より高くなります。逆に東側のペルー沖では、冷たい水の湧き上がりが強まり、海水温が平年より低くなります。この極端な状態が、大気の流れを大きく変えてしまうのです。

一方、エルニーニョ現象のときは逆のことが起きます。貿易風が弱まってしまうのです。その結果、西側に溜まっていた暖かい海水が東側へパシャっと戻ってくるような形になり、ペルー沖の海水温が高くなります。このように、風の強弱と海水の移動が連動して、地球規模の気候変動を引き起こしています。

「西高東低」の冬型の気圧配置との関係性

では、海の変化がどうやって日本の「西高東低」につながるのでしょうか。ラニーニャ現象でインドネシア付近の海水温が高くなると、その海域で上昇気流が活発に発生し、積乱雲がモクモクと大量に作られます。実は、この旺盛な上昇気流がポイントです。上昇した空気は北側へ向かい、中国大陸の上空で下降気流となって降りてきます。

この下降気流が、冬の寒気の親玉である「シベリア高気圧」を強める働きをします。さらに、偏西風を南側に押し下げる効果も生み出します。シベリア高気圧がパワーアップし、偏西風が南を流れることで、北極からの寒気が日本へダイレクトに流れ込むルートが完成してしまうのです。これが、ラニーニャ現象が起きると日本で西高東低の冬型が強まり、寒くなるメカニズムの正体です。

逆にエルニーニョ現象のときは、インドネシア付近での積乱雲の発生位置が東へずれるため、シベリア高気圧を強めるポンプのような働きが弱まります。結果として、日本へ吹き込む寒気の勢いが弱くなり、暖冬になりやすくなるのです。海と空はつながっており、熱帯の海の異変が、遠く離れた日本の冬の厳しさを決定づけているのです。

過去のデータから見る「厳冬」と「暖冬」の実例

理論だけでなく、過去の実例を見ることで、それぞれの現象が生活にどのようなインパクトを与えるかがより鮮明になります。「あの年の大雪はラニーニャだったのか」と記憶と結びつくかもしれません。ここでは、記憶に新しい特徴的な年を振り返ってみましょう。

過去にラニーニャ現象が発生した年の記録(豪雪など)

記憶に新しいところでは、2021年から2022年にかけての冬が挙げられます。この年はラニーニャ現象が発生しており、日本列島は厳しい寒さと大雪に見舞われました。特に北海道や日本海側では記録的な積雪となり、札幌市では統計開始以来最高の積雪深に迫るほどの大雪で、JRの全便運休やバスの麻痺など、都市機能が完全にストップする事態となりました。

また、2017年から2018年の冬もラニーニャ現象の影響を強く受けました。この年は「平成30年豪雪」と呼ばれ、福井県で国道8号線に約1500台の車が立ち往生するという大規模な交通障害が発生しました。物流が寸断され、コンビニやスーパーから商品が消えるという、災害時の恐ろしさを目の当たりにした年でもあります。このように、ラニーニャの冬は単に「寒い」レベルを超え、社会インフラを脅かす豪雪災害を引き起こす可能性が高いことがデータからも読み取れます。

さらに遡ると、2005年から2006年の「平成18年豪雪」もラニーニャ現象発生時でした。この時は12月から記録的な寒波が襲来し、雪下ろし中の事故などで多くの犠牲者が出ました。これらの事例からわかることは、ラニーニャの年は「早めの対策」と「無理のない行動」が何よりも重要であるという教訓です。

過去にエルニーニョ現象が発生した年の記録(雪不足など)

対照的に、2015年から2016年の冬は非常に強いエルニーニョ現象が発生し、記録的な暖冬となりました。この年は全国的に気温が高く、スキー場では深刻な雪不足が発生。多くのスキー場が営業開始を延期したり、コースを縮小したりせざるを得なくなりました。雪まつりなどの冬のイベントでも、遠くから雪をトラックで運搬しなければならない事態となり、観光業に大きな打撃を与えました。

また、2019年から2020年の冬も記録的な暖冬で、日本海側の降雪量は平年の数パーセントという地域もありました。雪国の人々にとっては除雪の苦労が減るというメリットがありましたが、一方で農作物の生育への影響や、春先の水不足への懸念が生じました。また、冬物衣料が全く売れず、アパレル業界が苦戦したのもこの年の特徴です。

エルニーニョの年は、生活面では過ごしやすい日が多い一方で、経済活動や生態系には予期せぬマイナスの影響が出ることがあります。また、先述したように、低気圧の通過による大雨や暴風など、雪以外の気象災害には注意が必要です。「暖かいから安心」ではなく、「いつもと違う気象パターンになる」という認識を持つことが大切です。

よくある質問(FAQ)

最後に、エルニーニョやラニーニャ、そして冬の気候に関してよく寄せられる質問にお答えします。

ラニーニャ現象はいつまで続くのですか?

ラニーニャ現象の持続期間はその時々によりますが、半年から1年半程度続くことが多いです。2025年冬のケースに関しては、冬の後半(2月頃)には解消に向かい、春には平常の状態に戻る確率が高いと予測されています。ただし、予報は更新されるため、気象庁の最新の「エルニーニョ監視速報」を確認することをおすすめします。

暖冬と言われていたのに急に寒くなるのはなぜですか?

暖冬とは「冬全体の平均気温」が平年より高いことを指します。そのため、冬の間に一度も寒くならないわけではありません。暖冬の年でも、一時的に強い寒波が流れ込めば大雪になることもあります。また、近年は「北極振動」などの影響で、暖冬基調の中に極端な寒さが短期間差し込む「ドカ雪」パターンが増えているため、油断は禁物です。

エルニーニョやラニーニャは地球温暖化と関係がありますか?

エルニーニョ・ラニーニャ現象自体は数千年前から繰り返されている自然現象ですが、地球温暖化が進むことで、これらの現象の発生頻度や強さが変化する可能性が研究されています。また、温暖化によってベースの気温が上がっているため、ラニーニャ現象が発生しても昔ほどの極端な低温にはなりにくい一方、水蒸気量が増えて降雪量が極端に増えるなど、現象の現れ方が変わってきているとも言われています。

まとめ

今回は、エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違い、そして2025年の冬の傾向について解説してきました。要点を整理すると、以下のようになります。

自然現象をコントロールすることはできませんが、予測を知り、準備することは可能です。「今年はラニーニャ傾向だから、早めにスタッドレスタイヤを履き替えよう」「防災グッズを見直しておこう」といった事前の行動が、あなたや家族の安全を守ります。天気予報をこまめにチェックし、安全で快適な冬をお過ごしください。