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2025年年末のカニ・数の子価格相場と賢い買い方:高騰理由と見通し

2025年も残すところあとわずかとなり、街中が年末年始の慌ただしい雰囲気に包まれてきました。「一年の締めくくりには、家族みんなで豪華なカニ鍋を囲みたい」「お正月には立派な数の子を用意したい」と楽しみに計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

しかし、スーパーの鮮魚売り場やネット通販のサイトを見て、「あれ?去年より値段が上がっていない?」と驚いた経験はありませんか。近年の物価上昇は日々の食卓だけでなく、年末年始の特別な食材にも大きな影を落としています。特に輸入への依存度が高い水産物は、円安や輸送コストの影響をダイレクトに受けており、予算内で満足のいく食材を揃えるのが年々難しくなっているのが現実です。「少しでも安く買いたいけれど、安物買いで失敗したくはない」というのが、消費者の切実な願いでしょう。

そこで今回は、2025年年末の食品市場におけるカニや数の子の価格動向を徹底的に分析し、品質を落とさずに少しでもお得に手に入れるための「狙い目日程」や「賢い買い方」について、プロの視点から詳しく解説していきます。

この記事でわかること

目次

2025年年末のカニ・数の子の価格相場はどうなる?高騰の理由と見通し

年末の食卓の主役とも言えるカニや数の子ですが、残念ながら2025年の年末も価格の高止まり傾向は継続すると予測されています。「なぜ毎年こんなに高いのか」と疑問に思う方も多いでしょうが、そこには世界情勢や環境変化が複雑に絡み合った、避けられない事情が存在します。単に「高い」と嘆くだけでなく、その背景にある構造を理解することで、「今は買い時なのか」「この価格は適正なのか」を冷静に判断する目が養われます。ここでは、価格高騰の主な要因と、それぞれの品目の具体的な相場観について詳しく見ていきましょう。

なぜ高い?円安と漁獲量減少が食卓を直撃する背景

まず、私たちが直面している価格高騰の最大の要因として挙げられるのが、長期化する「円安」の影響です。日本で流通しているカニや数の子の多くは、ロシア、アメリカ(アラスカ)、カナダなどからの輸入品に頼っています。為替レートが円安に振れるということは、海外から仕入れる際のコストが自動的に跳ね上がることを意味します。数年前と同じ品質、同じ量のカニを輸入しようとしても、仕入れ値の時点で既に2割〜3割増しになっているケースも珍しくありません。さらに、原油高による輸送コスト(燃料費)の上昇や、海外での人件費高騰も価格に転嫁されており、これらが積み重なって最終的な店頭価格を押し上げているのです。

また、もう一つの深刻な問題として「世界的な漁獲量の減少」と「需要の拡大」があります。地球温暖化による海水温の変化などの影響で、ズワイガニやタラバガニの主要な漁場であるベーリング海などで記録的な不漁が続いたり、資源保護のための禁漁措置が取られたりすることが増えています。供給量が減っている一方で、中国やアメリカなどの経済大国ではシーフードの需要が年々高まっており、国際的な「カニの争奪戦」が勃発しています。つまり、日本が以前のように「安くて良いもの」を大量に買い付けることが難しくなっており、「高くても買う」という海外勢に競り負けてしまう、あるいは高値で競り落とさざるを得ない状況が生まれているのです。このような背景から、今後も劇的な値下げは期待しにくく、私たちはこの相場を受け入れた上で賢く立ち回る必要があります。

ズワイガニ・タラバガニの具体的な価格目安と変動予測

では、具体的に今年の年末はどれくらいの予算を見ておけば良いのでしょうか。カニの種類によっても傾向は異なりますが、一般的なスーパーや鮮魚店での販売価格の目安を押さえておくことは、衝動買いや高値掴みを防ぐために非常に重要です。例えば、冬の味覚の王様である「タラバガニ」は、以前から高価でしたが、今年はさらに「高嶺の花」となる可能性があります。大型で身入りの良いボイルタラバガニの足(1肩・約800g〜1kg)の場合、昨年は1万円前後で見かけることもありましたが、2025年は1万2000円〜1万5000円程度が標準的な価格帯になると予想されます。特に年末のピーク時には、贈答用としての需要も重なり、さらに強気の価格設定になることが考えられます。

一方、「ズワイガニ」については、タラバガニに比べればまだ手が届きやすい価格帯で推移する可能性がありますが、それでも昨年に比べて1割〜2割程度の上昇は覚悟しておいた方が良いでしょう。鍋用の生冷凍ズワイガニ(カット済み・約1kg・3〜4人前)であれば、8000円〜1万円前後が相場となる見込みです。ただし、ズワイガニは産地やサイズ、加工状態(ポーションか姿か)によって価格の幅が広いため、一概に「高い」と判断せず、内容量や重量(氷の膜であるグレーズを除いた正味重量)をしっかり確認することが大切です。また、比較的安価な「トゲズワイガニ」や「紅ズワイガニ」が、本ズワイガニの代用品として多く出回ることも予想されますので、商品ラベルの名称をよく確認して購入するようにしましょう。

カニの種類2025年予想価格目安(1kgあたり)特徴と選び方のポイント
タラバガニ12,000円 〜 16,000円食べ応え重視。価格は高いが満足度は抜群。太さを確認すること
本ズワイガニ8,000円 〜 11,000円甘みが強く鍋に最適。カット済み(ポーション)が使いやすく人気
紅ズワイガニ4,000円 〜 6,000円安価だが水分が多く身が細い。出汁取りや味噌汁向け

数の子も値上がり傾向?品質による価格差と選び方のポイント

お正月のおせち料理に欠かせない「数の子」もまた、ニシンの漁獲量や加工コストの影響を大きく受ける食材です。数の子の主な原料となるニシンは、カナダやアメリカ、ヨーロッパからの輸入が主流ですが、こちらもカニと同様に円安と物流コスト増の影響を受けています。特に、高品質で歯ごたえの良い「本チャン」と呼ばれるアラスカ・カナダ太平洋産の塩数の子は、贈答用としての引き合いも強く、価格は高止まりするでしょう。スーパーの店頭では、化粧箱入りの立派なものが500gで4000円〜6000円程度で並ぶことが予想されます。一方で、ヨーロッパ産(大西洋産)の数の子は、太平洋産に比べて水分が多く歯ごたえが柔らかい傾向にありますが、価格は比較的リーズナブルです。

価格を抑えるためのポイントとして注目したいのが、「折れ子」や「不揃い」の商品です。製造過程で折れてしまった数の子を集めたこれらの商品は、味や食感は正規品と全く変わらないにもかかわらず、価格は3割〜半額程度安く設定されていることが多くあります。自宅で家族と食べる分には、形が整っている必要は必ずしもありません。また、すでに味付けされた「味付け数の子」は、塩抜きのテマヒマが不要で便利ですが、調味液の重量も含まれているため、純粋な数の子の量は見た目よりも少ない場合があります。コストパフォーマンスを重視するのであれば、多少手間はかかっても「塩数の子」を選び、自分で塩抜きと味付けを行うのが最も経済的であり、好みの味に仕上げられるというメリットもあります。

スーパーとネット通販、どっちがお得?年末食材の賢い購入ルート比較

年末の食材調達において、多くの人が頭を悩ませるのが「近所のスーパーで買うべきか、ネット通販で注文すべきか」という問題です。どちらにも明確なメリットとデメリットが存在し、ライフスタイルや重視するポイントによって正解は異なります。「現物を見て買いたい」という安心感を優先するか、「重い荷物を運ぶ手間を省き、豊富な種類から選びたい」という利便性を取るか。ここでは、それぞれの購入ルートの特徴を比較しながら、シチュエーション別の賢い使い分けについて詳しく解説します。

ネット通販の早期割引と「訳あり」商品の活用法

ネット通販の最大の強みは、なんと言っても「品揃えの豊富さ」と「早期割引(早割)」の存在です。カニ専門の卸業者が運営するサイトや大手ECモールでは、10月や11月の段階から年末向けの予約販売を開始しており、早く注文すればするほど割引率が高くなるシステムを導入している店舗が多くあります。計画的に年末の準備ができる方にとっては、定価の20%〜30%オフで購入できる絶好のチャンスです。また、ネット通販ならではの魅力として、「訳あり品」の充実が挙げられます。足が一本欠けている、甲羅に傷がある、サイズが不揃いといった理由で規格外となったカニが、味は正規品と変わらないまま格安で販売されています。「見た目よりも量と価格」を重視する家庭内のパーティー用であれば、これを利用しない手はありません。

しかし、ネット通販には「実物を見られない」という大きなリスクも潜んでいます。「届いたカニが写真よりもずっと小さかった」「氷ばかりで身がスカスカだった」というトラブルは、残念ながら毎年後を絶ちません。このような失敗を防ぐためには、単に価格の安さだけで飛びつくのではなく、販売実績のある信頼できる店舗を選ぶことが不可欠です。具体的には、商品ページに重量(グロスとネットの違い)が明記されているか、過去の購入者のレビュー(特に低評価の内容)はどうなっているか、万が一の不良品に対する返品・交換ポリシーがしっかりしているかを確認しましょう。また、年末ギリギリの注文は配送遅延のリスクが高まるため、冷凍庫のスペースを確保した上で、12月中旬までには手元に届くように手配するのが鉄則です。

地元のスーパーや市場で買うべき食材とメリット・デメリット

一方で、地元のスーパーマーケットや鮮魚市場で食材を購入する最大のメリットは、「自分の目で鮮度と品質を確かめられる」という安心感にあります。カニであれば甲羅の色艶や持った時のずっしりとした重み、数の子であれば色や形を直接確認して納得した上で購入できるのは、実店舗ならではの強みです。また、必要な分だけを少量から購入できるため、核家族や少人数の世帯にとっては無駄が出にくいという利点もあります。さらに、店員さんとコミュニケーションが取れる市場などでは、「今日はこれが良いよ」「この値段なら負けておくよ」といったリアルなやり取りの中で、思わぬ掘り出し物に出会える楽しさもあるでしょう。

ただし、デメリットとしては「年末直前の凄まじい混雑」と「価格の乱高下」が挙げられます。12月28日〜31日のスーパーは戦場のような賑わいとなり、レジに並ぶだけで30分以上かかることもザラです。また、需要がピークに達するこの時期は、通常時よりも価格が強気に設定されることが多く、「ご祝儀相場」として割高な買い物を強いられる可能性があります。それでも、大晦日の夕方近くになると、売り切りのための大幅な値引きシールが貼られるチャンスも巡ってきます。実店舗での購入戦略としては、日持ちのする冷凍品や乾物は12月中旬の比較的空いている時期に確保しておき、刺身や生鮮野菜などの日持ちしないものだけを年末の直前に買いに行くという「分散購入」が最も賢い方法と言えるでしょう。

比較項目ネット通販実店舗(スーパー・市場)
価格・コスパ早割や訳あり品で安く買える可能性大年末直前は割高になりがちだが、見切り品狙いも可
品質確認写真のみで判断。レビュー確認が必須現物を目と手で確認できるため失敗が少ない
手間・利便性重い荷物を玄関まで届けてくれる混雑の中での買い物と持ち帰りの労力が必要

ズバリ、年末の買い出しで「狙い目」となる日程と時間帯はここだ

「いつ買い物に行くか」は、年末の食材調達において勝敗を分ける重要な要素です。早すぎれば賞味期限が心配ですし、遅すぎれば品切れや高値掴みのリスクが高まります。カレンダーと市場の動きを見極め、最も効率よく、かつお得に買い物ができるタイミングを知っておくことは、家計を守るための強力な武器となります。ここでは、2025年の暦を考慮しながら、具体的な「狙い目日程」をピンポイントで提案します。

品揃えと価格のバランスが良い「12月20日〜25日」の攻防

ズバリ、冷凍のカニや数の子、冷凍ホタテなどを購入するのに最もおすすめな期間は、**12月20日から12月25日(クリスマス)までの間**です。この時期は、スーパー側も年末商戦に向けて商品のラインナップを充実させ始めますが、まだ「お正月モード」の最高値には達していないことが多い「エアポケット」のような期間です。多くの消費者はクリスマスパーティーの準備に意識が向いているため、お正月用の高級食材は比較的落ち着いて選ぶことができます。また、物流の面でも年末ギリギリの混乱に巻き込まれる前なので、品切れのリスクも低く、じっくりと良い商品を見極める余裕があります。

具体的には、この期間に「冷凍庫で保存がきくメイン食材」を全て購入し終えておくことを強く推奨します。冷凍のボイルガニや塩数の子は、家庭の冷凍庫でも2週間程度なら品質を落とさずに保存可能です。この時期に確保しておけば、年末の高い時期に慌てて買いに走り、高い値段で妥協して買うという最悪のパターンを回避できます。また、25日のクリスマスが終わった直後の26日は、スーパーの棚が一気に「クリスマス」から「お正月」へと切り替わるタイミングです。この切り替えのタイミングで、クリスマス用に仕入れたローストビーフ用の肉や、洋風オードブル向けの食材が見切り品として安く放出されることもあるため、あえて26日の午前中を狙うのも一つの手です。

生鮮食品の価格が下がる「大晦日の夕方」にかけるべきか

「大晦日の夕方に行けば半額シールが貼ってある」という話はよく聞きますが、これをメインの戦略にするのは少々リスクが高い賭けと言えます。確かに、12月31日の16時以降、あるいは閉店間際になると、お店側は在庫を残して新年を迎えるわけにはいかないため、生鮮食品(刺身、お寿司、生肉など)に大幅な値引きシールを貼り始めます。運が良ければ、最高級の中トロやカニが半額以下で手に入ることもあり、この瞬発力のある安さは他のどの時期よりも魅力的です。この「残り福」を狙って、あえて買い出しを最後まで遅らせるというベテラン主婦の方も少なくありません。

しかし、この作戦には「欲しいものが何も残っていない」という致命的なリスクが伴います。特に近年は、スーパー側も食品ロス削減の観点から仕入れ量を厳密に調整しており、夕方を待たずに完売してしまうケースが増えています。もし目当てのカニや刺身が売り切れてしまっていた場合、元旦の食卓が寂しいものになってしまうかもしれません。したがって、大晦日の夕方値下げ狙いは、「買えたらラッキー」程度のサブ要素、あるいは「追加の一品」を探すためのボーナスタイムとして捉えるのが賢明です。絶対に外せないメイン食材は事前に確保し、プラスアルファの贅沢品を狙って夕方のスーパーを覗く、というスタンスが精神衛生上も良いでしょう。

保存がきく冷凍カニ・数の子はいつ買うのが正解か

先ほど12月20日〜25日をおすすめしましたが、もし冷凍庫のスペースに余裕があるならば、さらに早い**12月上旬から中旬**に購入してしまうのも非常に有効な手段です。なぜなら、12月に入るとボーナス商戦が始まり、徐々に需要が高まっていくにつれて、一部の人気商品は品薄になったり、予告なく価格改定(値上げ)が行われたりすることがあるからです。特にネット通販やふるさと納税の返礼品などは、12月中旬を過ぎると「年内配送の受付終了」となる商品が続出します。本当に気に入った産地やブランドのものがある場合は、世間が動き出す一歩手前で確保するのが確実です。

また、早期に購入した場合の注意点として、家庭用冷凍庫の温度管理が挙げられます。業務用冷凍庫と違い、家庭用冷凍庫は開閉の頻度が高く、庫内温度が変動しやすいため、長期間(1ヶ月以上)保存すると「冷凍焼け」によって風味が落ちたり、乾燥してパサパサになったりする恐れがあります。12月上旬に購入した場合は、新聞紙や保冷袋で二重に包んで温度変化を防ぐ、ドアポケット付近ではなく奥の方に収納するなどの工夫が必要です。食べる直前まで美味しく保管するためのひと手間を惜しまないことが、早期購入を成功させる鍵となります。

カニや数の子以外も要注意!年末に値上がりしやすい食品と節約代替案

年末の買い物で予算オーバーを招くのは、カニや数の子といった高級食材だけではありません。普段何気なく買っている定番の食材も、年末料金として地味に値上がりし、レシートの合計金額を見て驚愕することになります。ここでは、年末に特に値上がりしやすい「隠れ高騰食材」と、それらを賢く回避するための代替案や節約術について紹介します。

かまぼこ・伊達巻などの練り物製品の価格動向

スーパーの棚を見ていて最も顕著に「年末価格」を感じるのが、紅白かまぼこや伊達巻などの練り物製品ではないでしょうか。普段は100円〜200円で売られているかまぼこが、クリスマスを過ぎたあたりから姿を消し、代わりにパッケージが豪華になっただけの「お正月用かまぼこ」が700円〜1000円といった価格で並び始めます。これはメーカー側がラインを正月用に切り替えるためで、消費者としては選択肢がなくなってしまいます。伊達巻や栗きんとんなども同様に、通常パッケージの数倍の価格に跳ね上がります。

この「練り物高騰」への対抗策は、シンプルに「早めに買って賞味期限ギリギリまで粘る」ことです。多くの通常版かまぼこや伊達巻の賞味期限は1週間〜10日程度ですが、中には真空パックで長持ちするものもあります。12月20日頃までに、まだ通常価格で売られている賞味期限の長い商品を見つけて購入しておくのが一番の節約になります。また、最近では「おせちセット」として少量ずつパックになった商品もコンビニやスーパーで売られています。「丸ごと一本買っても余らせてしまう」という家庭であれば、割高に見えても食べきりサイズのセットを買う方が、結果的に廃棄ロスがなく経済的という考え方もできます。

少しの工夫で豪華に!高騰食材の代わりになる「ジェネリック食材」

全てを最高級品で揃えようとすると予算はいくらあっても足りません。そこで提案したいのが、味や満足度は高いけれど価格は抑えめな「ジェネリック食材」の活用です。例えば、高騰する「本ズワイガニ」の代わりに、「トゲズワイガニ」や「紅ズワイガニ」を活用してみてはいかがでしょうか。紅ズワイガニは水分が多く身が崩れやすいという欠点はありますが、甘みが強く、鍋や味噌汁の出汁として使う分には本ズワイガニに負けない素晴らしい風味を出してくれます。身を食べるのではなく「カニの味と香りを楽しむ」料理にするならば、価格が半分の紅ズワイガニで十分満足できるはずです。

また、数の子の代わりとして「松前漬け」をメインにするのも良いアイデアです。松前漬けには数の子が入っていますが、昆布やスルメイカでカサ増しされているため、純粋な数の子を買うよりも安価で、ご飯のお供やお酒のつまみとしての満足感は非常に高いです。さらに、高価なブリの代わりに、脂の乗った養殖の「ハマチ(イナダ)」や「カンパチ」を使う、和牛ステーキの代わりに、低温調理で柔らかく仕上げた輸入牛のローストビーフを用意するなど、料理の工夫次第でコストを下げつつ食卓を豪華に見せる方法はいくらでもあります。「何を買うか」に固執せず、「どう料理するか」で柔軟に対応するのが、賢い主婦(主夫)の腕の見せ所と言えるでしょう。

高騰食材おすすめの代替案(ジェネリック食材)活用シーン
本ズワイガニ紅ズワイガニ、トゲズワイガニカニ鍋、味噌汁、カニ雑炊
塩数の子松前漬け、味付け数の子(折れ子)ご飯のお供、おつまみ
国産黒毛和牛輸入牛のローストビーフ、煮込み用ブロック肉メインディッシュ、オードブル

失敗しない年末の食材選び!鮮度を見極めるプロの視点

安く買うことは大切ですが、安くても「美味しくない」「鮮度が悪い」ものを買ってしまっては元も子もありません。特にカニや数の子といった生鮮・水産品は、個体差が激しく、選び方一つで味が天と地ほど変わります。最後に、店頭や商品到着後にチェックすべき「目利きのポイント」と、美味しさを損なわないための扱い方について伝授します。これを知っているだけで、ハズレを引く確率はグンと下がります。

美味しい冷凍カニの見分け方と解凍のコツ

冷凍カニを選ぶ際、まず注目すべきは「グレーズ(氷の膜)」の状態です。カニの表面は乾燥を防ぐために薄い氷の膜で覆われていますが、この氷が厚すぎたり、袋の中に大量の霜(氷の結晶)が付着していたりするものは要注意です。これは一度解凍されて再凍結した可能性や、長期間保存されて温度変化を受けた証拠であり、身がパサついている「冷凍焼け」を起こしているリスクが高いです。透明感のある薄い氷が均一についており、カニの色が鮮やかな赤色をしているものを選びましょう。黒ずみがあるものは酸化が進んでいるサインですので避けるのが無難です。

そして、カニの味を決定づけるのが「解凍方法」です。多くの人がやってしまいがちな失敗が、早く解凍したいがために「お湯につける」や「電子レンジで解凍する」という行為です。これをやると旨味成分であるドリップが一気に流れ出し、身は縮んでパサパサになってしまいます。正解は、「食べる前日から冷蔵庫に移してじっくり解凍する」ことです。乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで包み、水が出るのでバットに乗せて冷蔵庫に入れます。完全に解凍しきるのではなく、中心が少し凍っている「半解凍(8分解凍)」の状態で調理を始めるのが、最もジューシーに美味しく食べる秘訣です。この手間を待てるかどうかが、カニの美味しさを左右すると言っても過言ではありません。

質の良い数の子の色・形・硬さのチェックポイント

美味しい数の子を見分けるポイントは、「色」「ツヤ」「張り」の3点に集約されます。まず色ですが、あまりにも鮮やかすぎる黄金色のものは、漂白剤などの薬品処理が強く行われている可能性があります。逆に茶色っぽすぎるものは鮮度が落ちています。理想的なのは、薄い黄色から飴色で、透明感があるものです。次に形ですが、ふっくらとしていて丸みがあり、卵の粒がしっかり詰まっているように見えるものが良品です。痩せて平べったいものは、食感が頼りないことが多いでしょう。

スーパーでパック詰めされているものを指で押すことはできませんが、見た目の「張り」を確認することはできます。表面にシワがなく、パンと張っているものは、食べた時に「パリッ」「ポリッ」という極上の食感を楽しめます。また、パッケージの中に濁った汁が出ていないかも確認しましょう。汁が出ているものは鮮度が落ちているか、塩抜き後の処理が甘い可能性があります。家に持ち帰った後は、塩数の子であれば冷暗所(冷蔵庫)で保存し、食べる分だけ前日に塩抜きをします。塩抜きも、真水ではなく「薄い塩水」を使って呼び塩をすることで、浸透圧の関係で均一に塩が抜け、水っぽくならずに仕上がります。このひと手間を惜しまないことが、プロの味に近づく近道です。

よくある質問(FAQ)

カニの「ポーション」と「姿」はどちらがお得ですか?

「食べる」ことを優先するなら「ポーション(むき身)」の方が圧倒的にお得で便利です。「姿」は甲羅や食べられないエラなどの重量も含まれるため、可食部(食べられる部分)の割合は少なくなります。また、殻を剥く手間もかかります。一方で、「姿」は見た目の豪華さがあり、カニ味噌を楽しめるというメリットがあります。カニ鍋やしゃぶしゃぶで手軽に楽しみたいならポーション、贈答用やカニ味噌を楽しみたいなら姿、というように用途で使い分けるのがおすすめです。

おせち料理は手作りと通販、結局どちらが安いのでしょうか?

家族の人数と揃える品数によります。黒豆、田作り、なますなどの基本食材を少量ずつ全て一から手作りしようとすると、材料費と手間、光熱費を合わせると意外と高くつくことがあります。特に少人数世帯(2〜3人)であれば、セットになった通販のおせちを買ってしまった方が、食品ロスもなく結果的に安上がりになるケースが多いです。逆に、大人数で特定の料理(例えば煮しめなど)を大量に食べる場合は、その料理だけ手作りして、他は市販品で済ませる「ハイブリッド方式」が最もコスパが良いでしょう。

冷凍カニの賞味期限はどれくらいですか?来年まで持ちますか?

業務用の冷凍庫(-18℃以下)であれば1年ほど持ちますが、家庭用の冷凍庫ではドアの開閉による温度変化が激しいため、品質を保てるのは購入から「1ヶ月程度」が目安です。お正月に食べる予定なら12月に入ってから購入すれば問題ありませんが、来年の春まで取っておくというのはおすすめできません。冷凍焼けでパサパサになり、独特の臭いが出てしまう可能性があります。購入後はなるべく早めに、美味しく食べ切ることを心がけましょう。

まとめ

2025年の年末もカニや数の子をはじめとする食品価格の高騰は避けられない情勢ですが、購入する「時期」と「場所」、そして「選び方」を工夫することで、予算を抑えつつ満足度の高い食卓を囲むことは十分に可能です。

記事のポイントをおさらいしましょう。

  • 2025年の年末は円安と不漁の影響で、カニ・数の子ともに高値傾向が続く。
  • 買い物の狙い目は「12月20日〜25日」。品揃えが良く、年末最終価格になる前に確保するのがベスト。
  • ネット通販の「早割」や「訳あり品」は有効だが、店舗の信頼性とレビュー確認は必須。
  • 高騰する本ズワイガニの代わりに紅ズワイガニを使うなど、代替食材の活用も検討する。
  • 大晦日の夕方は「買えたらラッキー」のスタンスで。メイン食材は事前に冷凍保存しておくのが鉄則。

「高いから今年は我慢しよう」と諦める前に、ぜひ今回ご紹介したテクニックを使ってみてください。賢い準備で年末のあわただしさを乗り切り、美味しい料理とともに笑顔で新年を迎えられることを願っています。

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