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水道管が凍結してお湯が出ない時の安全な対処法とNG行動、予防策を解説

「朝起きて顔を洗おうとしたら水が出ない!」「キッチンのお湯だけが出てこない……」。冬の厳しい冷え込みが続いた朝、このようなトラブルに見舞われて焦ってしまった経験はないでしょうか。特に、通勤や通学前の忙しい時間帯に水が使えないとなると、パニックになってしまうのも無理はありません。

水道管の凍結は、北海道や東北などの寒冷地だけの問題だと思われがちですが、実は普段雪が降らないような関東や関西などの温暖な地域でも、急激な寒波が到来した際には頻繁に発生しています。むしろ、寒さへの備えが手薄な地域ほど、いざという時の被害が大きくなりやすい傾向にあります。「自分は大丈夫」と思っていても、条件さえ揃えば誰にでも起こりうるのが水道管の凍結トラブルなのです。

凍結してしまった時、焦って熱湯をかけて無理やり溶かそうとするのは絶対にやめてください。急激な温度変化によって水道管が破裂し、水浸しになってしまう二次災害を引き起こすリスクが非常に高いためです。正しい知識と手順で対処すれば、安全に復旧させることができますし、事前の対策で防ぐことも十分に可能です。

この記事では、水道管が凍結してお湯が出ない時に今すぐ試せる安全な対処法から、やってはいけないNG行動、そして明日から実践できる確実な予防策までを、専門的な視点で詳しく解説していきます。もしもの時に備えて、あるいは今まさに困っている状況を解決するために、ぜひ最後まで目を通してみてください。

この記事でわかること

水道管が凍結してお湯が出ない時の緊急対処法【やってはいけないNG行動も解説】

朝一番で水道管が凍結していることに気づいた時、多くの人は「一刻も早く溶かして水を使いたい」と考えるはずです。しかし、焦った行動がさらなるトラブルを招くことがあります。ここでは、安全かつ効果的に凍結を解消するための具体的な方法と、絶対に避けるべき行動について、順を追って詳しく見ていきましょう。

自然解凍を待つのが最も安全で確実な理由

水道管が凍結してしまった場合、最もリスクが少なく、かつ推奨される対処法は「自然解凍を待つ」ことです。「会社に行く準備があるのに待っていられない!」と思われるかもしれませんが、水道管や蛇口などの設備に負荷をかけずに復旧させるには、気温の上昇とともに氷が溶けるのを待つのが一番です。

具体的には、太陽が昇り気温が上がってくる午前中から昼過ぎにかけて、徐々に水が出るようになるケースがほとんどです。特に、壁の中に配管が埋まっている場合や、地中深くの配管が凍っている場合は、外部から温めることが難しいため、自然解凍を待つしか方法がないことも多々あります。無理に温めようとして壁や床を傷つけたり、配管に無理な力を加えたりするリスクを避けるためにも、まずは冷静に状況を見守ることが重要です。

また、自然解凍を待つ間は、必ず蛇口を少し開けた状態にしておき、溶けた水がすぐに流れ出るようにしておきましょう。ただし、全開にしておくと解凍した瞬間に水が勢いよく噴き出し、周囲が水浸しになる可能性があるため注意が必要です。さらに、外出する際は蛇口を閉めることを忘れないようにしてください。留守中に解凍が進み、水が出しっぱなしになってしまうと、水道料金が高額になったり、集合住宅であれば階下への漏水事故につながったりする恐れがあります。

今すぐ使いたいなら「ぬるま湯」をタオル越しにかける(熱湯は厳禁)

どうしてもすぐに水を使いたい場合や、露出している配管が明らかに凍っていることが確認できる場合は、「ぬるま湯」を使って解凍を試みることができます。この際、絶対に直接お湯をかけてはいけません。以下の手順を慎重に実行してください。

まず、凍結していると思われる蛇口や配管部分にタオルや雑巾を巻き付けます。これは、お湯の熱を全体にじんわりと伝え、急激な温度変化を防ぐためです。次に、人肌より少し温かい程度、具体的には45度から50度くらいの「ぬるま湯」を用意し、タオルにゆっくりとかけていきます。一度に大量にかけるのではなく、少しずつ時間をかけて氷を溶かしていくイメージで行ってください。

例えば、キッチンの蛇口が凍っているなら、蛇口のハンドル部分やスパウト(吐水口)だけでなく、シンク下の収納内にある止水栓や配管付近も確認し、露出している金属部分があれば同様にタオルを巻いてぬるま湯をかけます。屋外の立水栓であれば、地面から出ている柱の部分全体を温める必要があります。タオルにお湯を含ませて湿布のようにするのも効果的です。水が出るようになったら、必ず乾いた布で水分を拭き取ってください。濡れたままにしておくと、その水分が冷えて再び凍結してしまう原因になります。

ドライヤーや使い捨てカイロを使ってゆっくり温める方法

お湯を用意するのが難しい場合や、水回りが濡れるのを避けたい場合は、ヘアドライヤーの温風や使い捨てカイロを利用する方法も有効です。これらは熱源としての温度が高すぎず、コントロールしやすいため、比較的安全に解凍作業を行えます。

ドライヤーを使用する場合は、凍結している配管や蛇口に向けて温風を当てます。このとき、一箇所に集中して熱を当て続けるのではなく、配管全体にまんべんなく熱が行き渡るように動かしながら温めるのがポイントです。また、配管とドライヤーの距離を近づけすぎると、樹脂製の配管やパッキンを傷める可能性があるため、適度な距離(10〜20cm程度)を保つようにしましょう。電源コードが届かない屋外などでは、延長コードを使用するか、他の方法を検討してください。

使い捨てカイロを使用する場合は、凍結している部分にカイロを当て、その上からタオルや布を巻いて固定します。じわじわと時間をかけて熱が伝わるため、配管への負担が少なく済みます。例えば、メーターボックス内の止水栓が凍っている場合などは、カイロを置いて蓋をしておくだけでも効果が期待できます。ただし、カイロが冷たくなったら新しいものに交換する必要があるため、即効性よりも持続的な加温に向いている方法と言えるでしょう。

【注意】熱湯をかけると水道管が破裂する危険性がある理由

水道管の凍結時に最もやってはいけないのが、「熱湯を直接かける」という行為です。ヤカンで沸かしたばかりの100度近いお湯をかければ、氷はすぐに溶けるかもしれませんが、それと引き換えに水道管が破裂するリスクが極めて高くなります。

なぜ熱湯が危険なのかというと、物質は急激な温度変化によって膨張や収縮を繰り返すからです。凍って冷え切った水道管や蛇口の金属、あるいは塩化ビニル管に突然熱湯をかけると、急激な熱膨張が起こります。しかし、管の内側はまだ氷で冷やされているため、外側と内側で膨張の度合いに大きな差が生まれ、その歪みに耐えきれずに亀裂が入ったり、破裂したりしてしまうのです。これを「熱衝撃(ヒートショック)」と呼びます。

例えば、ガラスのコップに熱湯を注ぐと割れてしまうのと同じ原理です。一度破裂してしまった水道管は、テープなどで補修しても水圧に耐えられないことが多く、専門業者による配管交換工事が必要になります。修理費用も高額になり、工事が終わるまで数日間水が使えないという最悪の事態を招きかねません。「早く溶かしたい」という焦る気持ちはわかりますが、熱湯の使用は百害あって一利なしと心得ておきましょう。

室内でお湯が出ない場合の給湯器周りのチェックポイント

「水は出るけれど、お湯だけが出ない」という場合は、水道管そのものではなく、給湯器(ガス給湯器やエコキュート)の配管が凍結している可能性が高いです。給湯器は屋外に設置されていることが多く、本体に繋がる給水配管や給湯配管は外気にさらされているため、非常に凍結しやすい箇所と言えます。

まず確認すべきは、給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていないかどうかです。メーカーによって異なりますが、凍結を示すエラーが出ている場合や、燃焼動作が確認できない場合は凍結の疑いが濃厚です。次に、屋外にある給湯器本体を見に行き、配管部分の状態をチェックします。保温材が巻かれていない部分や、つなぎ目の金属部分が凍っていることが多いです。

この場合も基本は自然解凍を待ちますが、対処する場合は給湯器のコンセントを抜いてから(※リモコンの電源を切るだけでは不十分な場合がありますが、機種によるため取扱説明書を確認してください)、給水バルブ付近にタオルを巻き、ぬるま湯をかけます。なお、給湯器の電源プラグには漏電遮断器が付いていることが多いですが、水濡れには十分注意してください。また、追い焚き機能付きの給湯器の場合、浴槽の循環アダプター(お湯が出てくる穴)まで水が入っていないと、ポンプが空回りして凍結検知機能が働かないことがあります。冬場は浴槽の水を循環アダプターより上まで残しておくことも、給湯器内部の凍結防止には有効です。

水道管の凍結はなぜ起こる?凍りやすい条件と場所を特定しよう

水道管の凍結はなぜ起こる?凍りやすい条件と場所を特定しよう

敵を知り己を知れば百戦危うからずと言いますが、水道管の凍結対策も同様です。「なぜ凍るのか」「どこが凍りやすいのか」を知っておくことで、効果的な予防策を講じることができます。ここでは、凍結が発生しやすい具体的な気象条件や、注意すべき場所について解説します。

気温マイナス4度以下は要注意!凍結しやすい気象条件

水道管の凍結が発生する目安となる気温は、一般的に「マイナス4度」と言われています。天気予報で最低気温がマイナス4度以下になると予想されている日は、厳重な警戒が必要です。しかし、これはあくまで目安であり、マイナス4度まで下がらなくても凍結することは十分にあり得ます。

例えば、「真冬日が数日続いた後」などは、地面や建物の温度が冷え切っているため、少しの気温低下でも凍結しやすくなります。また、「風が強い日」も危険です。気温がマイナス1度や2度であっても、冷たい強風が配管に直接吹き付けることで、気化熱によって配管表面の熱が奪われ、急速に冷却が進むためです。「放射冷却現象」が起きやすい、よく晴れた風のない夜明け前なども、地表付近の熱が上空へ逃げていくため、急激に冷え込みます。

さらに、旅行や帰省などで長期間家を空け、水道を全く使わない場合も要注意です。普段は水道水が管内を流れることで多少の熱移動があり凍りにくくなっていますが、長時間水が動かないと、水温が周囲の気温と同じまで下がり、簡単に凍ってしまいます。マイナス4度という数字にとらわれず、「風が強い」「数日寒い」「水を使わない」といった条件が重なる時は、早めの対策が必要です。

北向きの日陰や風当たりが強い場所にある水道管

家の周りには、場所によって温度差があります。特に凍結リスクが高いのは、「北向きの日陰」にある水道管です。北側は冬場ほとんど日が当たらず、昼間でも気温が上がりにくいため、一度冷えた配管が温まるチャンスがありません。気がつかないうちに氷が成長し、完全に詰まってしまうことが多いのです。

また、「風通しの良い場所」にある配管も危険です。建物の隙間風が吹き抜ける場所や、開けた場所に設置された給湯器の配管などは、常に冷風にさらされ続けています。風は体感温度を下げるだけでなく、物体から熱を奪う力が強いため、保温材を巻いていない部分はあっという間に凍りつきます。

具体的には、勝手口の近く、ガレージの裏手、家の裏側にあるボイラー周りなどが挙げられます。一度自宅の周りを歩いてみて、日当たりが悪く風が強い場所に水道管や蛇口がないかチェックしてみましょう。そのような場所にある設備は、他の場所よりも重点的に保温対策を行う必要があります。

むき出しになっている水道管や屋外の立水栓

見た目で判断しやすい危険箇所として、「配管がむき出しになっている部分」があります。最近の住宅では配管が壁の中を通っていたり、しっかりとした保温カバーで覆われていたりと対策されていますが、古い住宅や屋外の散水栓などは注意が必要です。

例えば、庭の水やりや洗車に使う「立水栓(外の蛇口)」は、柱の中に配管が通っているとはいえ、外気に直接さらされているため非常に凍りやすい設備です。また、水道メーターボックスの中も意外な盲点です。メーターボックスは地面に埋め込まれていますが、蓋一枚で外気と接しており、内部の配管やメーター自体が凍結して破損することがあります。

特に、配管の曲がり角(エルボ)や、蛇口との接続部分、バルブ周りなどは保温材が巻きにくく、隙間ができやすいため、そこから冷気が入り込んで凍結の起点になりがちです。むき出しの鉄管や塩ビ管が見えている場合は、そこがウィークポイントだと認識し、優先的に対策を講じるべきです。

今夜からできる!水道管凍結を未然に防ぐ3つの防止策

「明日の朝は冷え込みそうだ」と予報が出たら、寝る前に対策をしておくことで、翌朝の凍結トラブルを確実に回避できます。ここでは、誰でも簡単に実践できる3つの主要な防止策を紹介します。それぞれの方法には特徴があるため、状況に合わせて使い分けることが大切です。

防止策効果コスト手軽さおすすめの状況
水抜き非常に高い無料慣れが必要寒冷地、長期間の不在時、氷点下4度以下
流動法(水を出す)高い水道代のみ簡単一時的な寒波、水抜きが難しい構造の場合
保温材・タオル数百円〜設置に手間屋外の配管、北側の配管、日常的な予防

この表を参考に、ご自宅の環境や寒さのレベルに合った対策を選んで実行してください。それでは、各方法の手順を詳しく見ていきましょう。

【基本】「水抜き」の手順と仕組みを正しく理解する

水道管凍結防止策の王道にして最強の方法が「水抜き」です。これは、水道管の中に溜まっている水を物理的に抜いて空っぽにしてしまうことで、凍る対象(水)をなくしてしまうという理屈です。寒冷地では日常的に行われていますが、温暖な地域でも非常に有効です。

一般的な手順は以下の通りです。
1. 家の中の蛇口を全て閉める。
2. 「水抜栓(元栓)」を閉める。水抜栓は、屋外の地面にある青い蓋の中や、玄関近くのパイプスペース内にあるハンドルを回して操作します。「水抜」という方向に回し切ってください。
3. 家の中の蛇口を開ける。これで管内に残っていた水が空気と入れ替わり、排出されます。キッチン、洗面所、お風呂、トイレなど、全ての蛇口を開けてください。
4. 水が抜けきったら、蛇口を閉める。

特に注意したいのが、「電動水抜き操作盤」があるマンションやアパートです。壁にあるパネルの「水抜」ボタンを押すだけで操作できますが、手順を間違えると水が抜けません。また、トイレのタンクや給湯器の水抜きは別途操作が必要な場合があるため、取扱説明書を確認してください。「水抜き」さえ完璧に行えば、どんなに気温が下がっても凍結することはありません。

水を少し出し続けて水の流れを作る(流動法)

水抜き栓の場所がわからない場合や、操作が難しい場合に有効なのが、水を出しっ放しにしておく方法です。水は流れている状態だと凍りにくいという性質を利用しています。川の水が凍りにくいのと同じ原理です。

やり方は非常にシンプルです。就寝前に、お風呂やキッチンの蛇口から水を少しだけ出し続けておきます。出す量の目安は「鉛筆の太さ」あるいは「箸の太さ」程度(ポタポタではなく、ツーっと線になって流れるくらい)と言われています。ポタポタと滴る程度では、排水口付近で凍って氷柱になり、逆に詰まりの原因になることがあるため、ある程度の水量は必要です。

この方法のデメリットは、一晩中水を出し続けるため水道代がかかることです。しかし、修理代や数日間水が使えない不便さに比べれば、数百円程度の水道代は安い保険料と言えます。給湯器の配管を凍結させたくない場合は、お湯側の蛇口から水を出すようにしてください(ガス給湯器のリモコン電源はOFFにしておくことでガス代はかかりません)。

保温材やタオルを巻いて冷気を遮断する方法

物理的に配管を冷気から守る方法も重要です。特に屋外の露出している配管や蛇口には、事前の保温対策が欠かせません。ホームセンターなどで販売されている筒状の「保温チューブ」や「保温テープ」を使用するのがベストですが、身近なものでも代用可能です。

緊急時には、使い古しのタオルや毛布、気泡緩衝材(プチプチ)などを配管に巻き付け、その上からビニールテープやビニール袋でしっかりと固定します。ポイントは、タオルなどが雨や雪で濡れないようにすることです。保温材自体が濡れて凍ってしまうと、逆に配管を冷やす保冷剤のようになってしまい、凍結を促進させてしまいます。必ず防水のためのビニール層を一番外側に作ってください。

また、水道メーターボックスの中も忘れずに対策しましょう。ボックスの中に発泡スチロールを砕いたものや、丸めた新聞紙、タオルなどを詰め込んで空間を埋めることで、地熱を逃さず、外気の侵入を防ぐ効果があります。これらは「保温」であって「加温」ではないため、長時間氷点下が続くと凍る可能性はありますが、凍結までの時間を稼ぐには十分な効果があります。

もし水道管が破裂してしまったら?被害を最小限に抑える応急処置

最悪のケースとして、凍結によって水道管が破裂してしまうことがあります。水が噴き出しているのを見つけたら誰でも動転してしまいますが、ここでの初動対応が被害の規模を左右します。万が一の時に慌てないための手順を確認しておきましょう。

まずは「止水栓(元栓)」を閉めて水の流出を止める

水道管の破裂を発見したら、何よりも最初に行うべきは「元栓を閉める」ことです。家中の水が止まってしまいますが、漏水を食い止めることが最優先です。水が勢いよく吹き出している場合、その場所に近づくのも怖いかもしれませんが、大元の供給を断たなければ被害は拡大する一方です。

元栓(止水栓)は、戸建て住宅であれば敷地内の地面にある「量水器」と書かれた青や金属のボックスの中にあります。マンションなどの集合住宅であれば、玄関横のパイプスペース(PS)の中にガスメーターと一緒に設置されていることが多いです。ハンドルを時計回り(右回り)に回らなくなるまでしっかりと締め込んでください。

古い住宅や長期間操作していないバルブは固くて回らないことがありますが、ペンチなどの工具を使って無理に回そうとするとバルブ自体が破損する恐れがあります。どうしても回らない場合は、タオルを使って力を込めやすくするか、諦めて早急に水道局へ連絡する必要があります。普段から元栓の場所と閉め方を確認しておくことが、いざという時の助けになります。

破裂箇所に布やテープを巻いて応急処置をする

元栓を閉めて水が止まったら、破裂箇所を確認して応急処置を施します。これは修理業者が来るまでの仮止めであり、根本的な解決ではありませんが、残った水が漏れ出るのを防いだり、修理箇所の特定を容易にしたりする意味があります。

具体的には、破裂して亀裂が入った部分に「自己融着テープ」や「補修用テープ」をきつく巻き付けます。これらはホームセンターで手に入りますが、なければビニールテープでも代用可能です。テープを巻いた上から、さらにタオルや布を巻き、紐や針金で縛って固定します。こうすることで、万が一元栓を少し開ける必要が出た際にも、水の噴出をある程度抑えることができます。

ただし、これはあくまで一時的な処置です。水圧は想像以上に強いため、テープだけで完全に止水することは困難です。破裂した配管は交換が必要になるため、決して「テープで止まったからこのままでいいや」と思わず、必ず専門家に修理を依頼してください。

賃貸物件なら管理会社へ、持ち家なら指定給水装置工事事業者へ連絡

応急処置が済んだら、修理の手配を行います。ここで連絡先を間違えないようにしましょう。あなたが住んでいるのが賃貸物件(アパート・マンション・借家)であれば、まずは「管理会社」または「大家さん」に連絡を入れるのが鉄則です。

勝手に業者を呼んで修理してしまうと、後で費用の請求トラブルになったり、指定業者以外の工事が認められなかったりする場合があります。管理会社と提携している設備業者であれば、スムーズに対応してくれることも多いですし、費用負担についても相談できる可能性があります(入居者の過失とみなされる場合もありますが)。

持ち家の場合は、自分で業者を探す必要がありますが、必ず自治体の水道局が指定している「指定給水装置工事事業者」に依頼してください。いわゆる「水道屋さん」ですが、指定を受けていない業者に依頼すると、法外な料金を請求されたり、適切な工事が行われなかったりするトラブルのリスクがあります。自治体のホームページで指定業者一覧を確認するか、水道局に電話して紹介してもらうのが確実です。緊急対応を謳うマグネット広告の業者などは慎重に選ぶ必要があります。

火災保険が適用されるケースと申請に必要な写真撮影

水道管の凍結破裂による修理費用や、漏水による家財への被害は、加入している「火災保険」で補償される可能性があります。多くの火災保険には「水濡れ」補償が含まれていますが、これは「給排水設備の事故」によって生じた損害(床や壁、家具など)を補償するものです。

さらに、「水道管修理費用保険金(特約)」が付帯されていれば、破裂した水道管自体の修理費用もカバーできる場合があります(ただし、パッキン交換のみなど軽微なものは対象外のことが多い)。保険を申請するためには、「事故の証拠」が必要です。修理業者が来て修理を始めてしまう前に、必ず「破裂している状況」「被害を受けた家財や部屋の状況」をスマートフォンなどで写真に撮っておきましょう。

被害状況全体の写真と、破損箇所のアップ写真を複数枚撮影し、修理見積書や領収書も保管しておきます。保険会社に連絡する際は、「いつ、どのような状況で漏水したか」を正確に伝える必要があります。契約内容によっては免責金額が設定されていることもあるため、まずは保険証券を確認するか、保険代理店に問い合わせてみることを強くおすすめします。

寒冷地だけじゃない!温暖な地域でも油断禁物な理由と備え

「うちは雪国じゃないから大丈夫」という考えは非常に危険です。近年の異常気象により、九州や四国、関東の平野部でも記録的な寒波に見舞われることが増えています。むしろ、雪国ではないからこその脆さがあります。

普段凍結しない地域ほど設備が寒さに弱い傾向がある

北海道や東北などの寒冷地では、住宅を建てる段階で水道管の凍結防止対策が徹底されています。配管を地中深く埋めたり、強力な保温材を使用したり、すべての蛇口に水抜き栓が完備されていたりと、ハード面での備えが万全です。

一方、東京や大阪などの温暖な地域の住宅は、そこまでの防寒仕様にはなっていません。水道管の埋設深度が浅かったり、屋外配管の保温が簡易的だったりすることが一般的です。そのため、想定外のマイナス気温になると、あっけなく凍結してしまうのです。さらに、住民も「水抜き」の習慣や知識がないため、対策が遅れて一斉に凍結事故が発生し、修理業者がパンクして数日間対応してもらえないという事態に陥りやすいのです。

急な寒波に備えて準備しておきたい防災・防寒グッズ

いつ来るかわからない寒波に備えて、最低限の準備をしておくことは安心に繋がります。水道管対策としては、以下のアイテムを常備しておくと良いでしょう。

まず、「保温テープ」や「保温チューブ」です。これらは経年劣化でボロボロになりやすいため、定期的にチェックして巻き直すための予備を持っておきましょう。次に、「水の備蓄」です。凍結でお湯が出ないだけならまだしも、水すら出なくなった場合、飲み水やトイレの水に困ることになります。ペットボトルの保存水だけでなく、ポリタンクに水道水を汲み置きしておくことも大切です。

また、万が一停電と凍結が重なった時のために、カセットコンロや電気を使わない暖房器具(石油ストーブなど)があると、お湯を沸かして暖を取ることができます。水道管のトラブルはライフラインの危機です。防災グッズの一環として、冬場の水回り対策も見直してみてください。

よくある質問(FAQ)

凍結防止ヒーター(電熱線)はずっとつけっぱなしでいいのですか?

基本的には、冬の間はコンセントを挿したままにしておくことが推奨されます。多くの凍結防止ヒーターにはサーモスタット(温度センサー)が内蔵されており、気温が下がった時だけ自動的に通電して温める仕組みになっています。そのため、気温が高い時に無駄に電気を消費することはありません。逆に、頻繁に抜き差しすると、急な冷え込みの際につけ忘れて凍結させてしまうリスクが高まります。ただし、春になって暖かくなったらコンセントを抜くのを忘れないようにしましょう(節電とヒーターの寿命のため)。

マンションの2階以上に住んでいますが、凍結の心配はありますか?

戸建てや1階に比べればリスクは低いですが、決してゼロではありません。特に、北側の通路に面しているパイプスペース内の配管や、給湯器がベランダに設置されている場合は、階数に関係なく凍結する可能性があります。また、上層階は風当たりが強いため、気化熱によって冷却されやすい環境でもあります。油断せずに、冷え込みが予想される日は「水を少し出しておく」などの対策を行うことをおすすめします。

お湯が出ないとき、追い焚き機能は使っても大丈夫ですか?

浴槽に水が残っている(循環アダプターより上まである)状態であれば、追い焚き機能を使っても問題ない場合が多いです。むしろ、追い焚きをすることで配管内の水が循環し、凍結防止に役立つこともあります。しかし、水が出てこない状況で新たに浴槽に水を溜めることはできません。また、給湯配管自体が凍結している場合、追い焚きはできてもシャワーやカランからお湯は出ません。無理に操作してエラーが出る場合は、使用を控えて自然解凍を待ちましょう。

まとめ

冬の朝、突然水道管が凍結してお湯が出なくなると、生活に大きな支障をきたします。しかし、焦って熱湯をかけることだけは絶対に避けてください。まずは「自然解凍」を待ち、どうしても急ぐ場合は「ぬるま湯」や「カイロ」を使ってゆっくりと温めることが、被害を拡大させないための鉄則です。

また、凍結はマイナス4度以下という気温だけでなく、風の強さや日当たり、配管の場所などの条件が重なって発生します。天気予報をチェックし、危険なシグナルを感じたら、「水抜き」や「水を出しっ放しにする」といった予防策を前夜のうちに講じておきましょう。事前のひと手間が、翌朝の快適さと大切な家を守ることに繋がります。万が一の破裂に備えて、元栓の場所や緊急連絡先を確認しておくことも忘れずに行ってください。