MENU

お正月期間中にやるべきことリスト【時系列まとめ】

「あけましておめでとうございます!」と新年を祝ったのも束の間、お正月は意外とやることが多くてバタバタしてしまうものです。「年賀状の返信はいつまでだっけ?」「七草粥って7日の朝?夜?」など、ふとした瞬間に疑問が湧いてくることも多いのではないでしょうか。

お正月は日本の伝統行事が凝縮された期間であり、それぞれに大切な意味やマナーが存在します。うっかり忘れてしまったり、マナー違反をしてしまったりすると、せっかくの新年なのに気まずい思いをしてしまうかもしれません。特に、親戚付き合いや職場関係などが絡む場面では、大人のマナーとして正しい知識を持っておきたいところです。

そこで今回は、お正月期間中に「絶対に忘れてはいけないこと」や「やっておくと良いこと」を時系列順に網羅し、それぞれの手順やマナーを詳しく解説します。この記事さえ読めば、忙しい年始も焦らずスマートに過ごすことができるでしょう。心に余裕を持って、素晴らしい一年のスタートを切ってください。

この記事でわかること

目次

お正月期間中にやるべきことリスト【時系列まとめ】

お正月の行事は、元日から始まり1月中旬の小正月まで続きます。それぞれの行事には行うべき正しいタイミングがあり、地域によって多少の違いはあるものの、基本的な流れを押さえておくことは非常に重要です。ここでは、一般的に認識されているお正月のスケジュールを時系列で整理し、どの時期に何を行うべきか、その全体像を把握していきましょう。カレンダーをイメージしながら、ご自身の予定と照らし合わせてみてください。

特に「松の内」と呼ばれる期間は、お正月飾りを飾っておく期間であり、年賀状のやり取りをする期間でもあります。関東では1月7日まで、関西では1月15日までと地域差があるため、引っ越したばかりの方や、遠方の親戚とやり取りをする方は注意が必要です。このセクションでは、主要なイベントの日程と概要を一覧で確認し、スケジュールの抜け漏れを防ぎます。

元日(1月1日)〜三が日:初詣・お節・お年玉

1月1日の元日から3日までの「三が日」は、お正月のメインイベントが集中する期間です。まずは、地元の氏神様や有名な寺社へ「初詣」に行き、旧年の感謝を捧げるとともに、新年の無事と平安を祈願しましょう。元日の朝に家族揃って「お節料理」や「お雑煮」をいただき、年神様をお迎えしてお祝いをするのが伝統的な過ごし方です。お節料理には、黒豆(まめに働く)、数の子(子孫繁栄)、田作り(五穀豊穣)など、一つ一つの食材に縁起の良い意味が込められています。これらを家族で囲みながら、それぞれの食材の意味を話題にするのも、お正月の食卓を豊かにする素敵な過ごし方と言えるでしょう。

また、親戚が集まるこの時期に欠かせないのが「お年玉」の準備です。子どもたちにとっては一年で一番の楽しみと言っても過言ではありませんが、大人にとっては事前の準備が必要な重要タスクです。新札を用意し、ポチ袋に入れ、渡す相手を確認しておく必要があります。久々に会う親戚の子どもが成長していて、「あれ、まだ小学生だっけ?中学生になったんだっけ?」と迷うことのないよう、事前に年齢や学年を確認しておくと安心です。もし急な来客でお年玉が必要になった場合に備えて、予備のポチ袋と千円札を用意しておくと、慌てずに対応できます。

三が日は多くの企業やお店が休みであることが多く、のんびりと過ごせる貴重な時間です。しかし、だからこそ生活リズムが乱れがちになる期間でもあります。初売りや福袋の購入などで外出する際も、混雑に巻き込まれて疲れてしまわないよう、余裕を持った計画を立てることが大切です。この期間に、年賀状の確認と返信の準備(書き損じハガキの整理など)も少しずつ進めておくと、後のスケジュールが楽になります。

日程行事・タスク内容・備考
1月1日(元日)初詣・お節・お年玉年の初めの祈願、祝い膳、新年の挨拶回り
1月2日書き初め・初売り新年の抱負を書く、買い物を楽しむ
1月3日三が日最終日Uターンラッシュのピーク、翌日の仕事準備

三が日の過ごし方は、その年一年の運気を左右するとも言われています。慌ただしく過ぎ去ってしまわないよう、主要なタスクを上記の表で確認し、家族みんなが笑顔で過ごせるような計画を立ててみてください。

松の内(1月7日or15日)まで:年賀状の返信・年始回り

「松の内(まつのうち)」とは、門松などのお正月飾りを飾っておく期間のことを指し、この期間中は年神様が家に滞在していると考えられています。一般的に関東地方では1月7日まで、関西地方では1月15日までとされることが多いですが、地域によって異なるため、お住まいの地域の慣習を確認することをおすすめします。この期間中に行うべき最も重要なタスクの一つが「年賀状の返信」です。元日に届いた年賀状を確認し、自分が出していなかった相手から届いていた場合は、できるだけ早く返信を出しましょう。松の内を過ぎてから出す場合は「寒中見舞い」となるため、投函のタイミングには注意が必要です。

また、仕事始めとなる企業が多い1月4日以降は、取引先や関係各所への「年始回り」や「新年の挨拶メール」の送信も始まります。ビジネスにおいて、新年の挨拶は関係構築の基本であり、非常に重要な意味を持ちます。「旧年中はお世話になりました」「本年もよろしくお願いいたします」といった定型句に加え、相手の健康や繁栄を祈る言葉、昨年一緒に取り組んだ仕事への感謝などを一言添えると、より丁寧で心のこもった印象を与えることができます。メールの場合は、件名に【新年のご挨拶】と明記し、社名と氏名を分かりやすく入れるのがビジネスマナーです。

プライベートでは、友人や知人との新年会が開かれるのもこの時期です。久しぶりに会う友人との会話は楽しいものですが、飲み過ぎや食べ過ぎには十分注意しましょう。特に年末年始の暴飲暴食で胃腸が疲れている場合も多いため、体調管理をしながら楽しむことが大切です。松の内が終わる頃には、お正月飾りを片付ける準備も始めます。塩でお清めをしてから新聞紙や半紙に包んで処分するか、地域のどんど焼きに持って行くためにまとめておくと良いでしょう。

1月7日:七草粥で無病息災を願う

1月7日は「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれ、朝に「七草粥」を食べて無病息災を願う風習があります。これは、お正月のご馳走やお酒で疲れた胃腸を休めるという意味合いも強く、現代の生活スタイルにおいても非常に理にかなった習慣と言えます。春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)には、それぞれ邪気を払う意味や健康を願う意味が込められており、ビタミンやミネラルを補給する効果も期待できます。

近年では、スーパーなどで「七草粥セット」としてパック詰めされたものが販売されているため、全ての野草を自分で摘みに行く必要はありません。これらを利用すれば、手軽に伝統行事を取り入れることができます。作り方も非常にシンプルで、普通のお粥を炊き、刻んだ七草と塩を少し加えて混ぜるだけです。もし七草独特の青臭さが苦手な場合は、卵を入れたり、中華風の味付けにアレンジしたりしても美味しくいただけます。大切なのは、家族の健康を願いながら温かいお粥をいただくという心です。

また、1月7日は関東地方などでは松の内の最終日となるため、この日を目処にお正月飾りを片付ける家庭も多いです。七草粥を食べ終わったら、門松やしめ縄を外し、お正月気分から日常モードへと気持ちを切り替えていくきっかけの日とも言えるでしょう。朝食として食べることが一般的ですが、忙しい平日の場合は夕食に取り入れても問題ありません。無理のない範囲で季節の行事を楽しんでください。

1月11日:鏡開きで年神様を見送る

1月11日は「鏡開き」の日です。これは、お正月の間、年神様の依り代としてお供えしていた鏡餅を下げ、それを食べることで年神様の力を授けてもらうという行事です。鏡餅には年神様の魂が宿っているとされるため、刃物を使って「切る」ことは切腹を連想させるとして避けられます。その代わり、木槌や金槌で叩いて「開く」のが正しい作法とされています。乾燥してひび割れたお餅を細かく砕く作業は少し力がいりますが、家族みんなで協力して行うのも楽しいイベントの一つです。

開いたお餅は、お汁粉(善哉)や揚げ餅にして食べるのが一般的です。小さくなったお餅のかけらまで残さず食べることで、年神様の恩恵を余すことなく体に取り入れることができると言われています。もし、真空パックに入った鏡餅を使用している場合は、パッケージを開封してお餅を取り出すだけで済みますが、その場合でも「包丁を使わずに手で割る」か、あるいは形だけでも木槌を当てるなどして、鏡開きの儀式としての意味合いを大切にすると良いでしょう。

鏡開きが終わると、お正月行事もいよいよ終盤です。この頃には仕事や学校も本格的に始動し、完全な日常が戻ってきているはずです。鏡開きのお汁粉を食べながら、「今年一年、粘り強く頑張ろう」と決意を新たにするのも良いでしょう。ちなみに、関西の一部地域などでは、松の内が1月15日まで続くため、鏡開きも1月15日や20日に行われる場合があります。地域の風習に合わせて日程を確認してください。

【お年玉】準備のマナーと相場の目安

【お年玉】準備のマナーと相場の目安

お正月にお子様や親戚の子どもたちに渡す「お年玉」。もらう側にとっては嬉しいイベントですが、渡す側の大人にとっては「いくら包めばいいの?」「どんなポチ袋がいいの?」といった悩みの種でもあります。金額が少なすぎても多すぎても気を使わせてしまうため、一般的な相場を知っておくことは非常に重要です。また、お年玉は単にお金を渡すだけでなく、目上の人から目下の人へ「一年を健やかに過ごせるように」という願いを込めて贈るものであり、渡し方や準備にも礼儀作法が存在します。

ここでは、年齢別の金額相場から、新札の用意、ポチ袋への入れ方まで、お年玉に関するマナーを詳しく解説します。特に、最近増えている「キャッシュレスお年玉」についての是非や注意点についても触れていきます。予期せぬタイミングで親戚の子どもに会う可能性もあるため、事前の準備は念入りに行いましょう。大人の嗜みとして、スマートにお年玉を渡せるようにしておきたいものです。

渡す相手の年齢別!お年玉の金額相場一覧

お年玉の金額に決まりはありませんが、世間一般の「相場」を知っておくことで、相手の親御さんに気を使わせることなく、子どもたちにも喜んでもらえる金額を設定できます。基本的には、年齢が上がるにつれて金額も上がっていきます。未就学児の場合は、お金の価値がまだ十分に理解できていないことも多いため、500円〜1,000円程度、あるいはお菓子やおもちゃを現物のまま渡すというケースも少なくありません。可愛らしいキャラクターのポチ袋に入れてあげると、中身の金額に関わらず喜んでくれることが多いでしょう。

小学生になると、低学年(1〜3年生)では1,000円〜3,000円、高学年(4〜6年生)では3,000円〜5,000円が目安となります。高学年になると自分でお小遣いを管理する子も増えてくるため、少し金額が上がります。中学生になると3,000円〜5,000円、または5,000円〜10,000円と幅が出てきますが、親戚間での取り決め(一律5,000円にするなど)がある場合はそれに従うのが無難です。高校生や大学生になると、5,000円〜10,000円、あるいはそれ以上渡す場合もありますが、アルバイトを始めている年齢でもあるため、家庭の方針によって渡さないという選択肢もあります。

注意点として、「4(死)」や「9(苦)」のつく金額は避けるのがマナーです。また、兄弟や姉妹がいる場合は、喧嘩にならないように金額を揃えるか、年齢差に応じて明確な差をつけるか、事前に親御さんと相談しておくと安心です。高額すぎるお年玉は、教育上の配慮から歓迎されないこともあるため、「あくまで気持ち」として常識的な範囲内に収めるよう心がけましょう。

年齢・学年金額相場の目安備考
未就学児500円〜1,000円お菓子やおもちゃでも可
小学校低学年1,000円〜3,000円硬貨でお財布に入れる練習にも
小学校高学年3,000円〜5,000円欲しいものが増える時期
中学生3,000円〜5,000円5,000円札1枚がスマート
高校生5,000円〜10,000円10,000円渡す家庭も多い

この表はあくまで目安です。親戚同士で「小学生は一律3,000円」などのルールを決めておくと、毎年悩まずに済みます。

ポチ袋の書き方とお札の入れ方マナー

お年玉を渡す際には、ポチ袋の書き方やお札の入れ方にもマナーがあります。まず、お札は必ず「新札(ピン札)」を用意しましょう。これは「新しい年を新しい気持ちで迎える」「あなたのために事前に準備しました」という心遣いを表すためです。年末の銀行は非常に混雑するため、早めに新札への両替を済ませておくことが鉄則です。もしどうしても新札が手に入らなかった場合は、アイロンをかけてシワを伸ばすなどの工夫をすると良いでしょう。

ポチ袋にお札を入れる際は、三つ折りにするのが基本です。お札の表面(肖像画がある方)が内側になるように、左側から1/3を折り、次に右側から1/3を折って重ねます。このとき、お札を開いたときに肖像画が最初に見える向きになるように折るのが正解です。折ったお札をポチ袋に入れるときは、折ったままの状態で、天地(上下)が逆さまにならないように注意して入れます。硬貨を入れる場合も、製造年が刻印されている裏面ではなく、絵柄のある表面が表に来るように入れましょう。

ポチ袋の表書きには、渡す相手の名前を左上に、自分の名前を裏面の左下に書くのが一般的です。相手の名前には「ちゃん」や「くん」をつけて親しみを込めても構いません。自分の名前は「おじさん」「おばさん」といった続柄で書くか、フルネームで書いて誰からのお年玉かが分かるようにします。最近ではデザイン性の高いポチ袋も多く販売されていますが、目上の人の子どにお年玉を渡す(本来はお年玉は目上から目下へ渡すものですが)場合などは、あまりにカジュアルすぎるデザインは避けたほうが無難かもしれません。しかし、基本的には子どもが喜ぶデザインを選んで問題ありません。

キャッシュレスお年玉はあり?なし?最新事情

近年、急速に普及している「キャッシュレス決済」の波は、お年玉の文化にも影響を与えています。PayPayやLINE Payなどの送金機能を使ってお年玉を渡す「キャッシュレスお年玉」は、新札を用意する手間が省けたり、遠方に住んでいて会えない親戚にも気軽に渡せたりするというメリットがあります。特に、スマホを持ち始めた中高生にとっては、普段使い慣れている電子マネーでもらう方が便利だという意見も少なくありません。受け取った履歴が残るため、お小遣い帳アプリと連携して管理しやすいという側面もあります。

しかし、一方で「現金の重みを感じてほしい」「情緒がない」といった否定的な意見も根強く存在します。特におじいちゃんおばあちゃん世代にとっては、直接手渡しで孫の顔を見ながら渡すことこそがお年玉の醍醐味であると感じる場合が多いでしょう。また、小さなお子様の場合、電子マネーの画面上の数字だけでは「お金をもらった」という実感が湧きにくく、お金の価値やありがたみを教える機会としては不十分かもしれません。

結論として、キャッシュレスお年玉は「相手との関係性」と「相手の年齢」を考慮して使い分けるのが賢明です。例えば、遠方の甥っ子や姪っ子にはキャッシュレス送金を利用し、メッセージカード機能を添えてお祝いの言葉を送る。一方で、直接会う予定のある親戚の子どもには、従来通りポチ袋に入れて手渡す、といった柔軟な対応が良いでしょう。もしキャッシュレスで送る場合は、事前に相手の親に一言「キャッシュレスで送っても大丈夫?」と確認を入れておくのがマナーです。時代の変化に合わせつつ、お祝いの気持ちを伝えることを最優先に考えましょう。

【年賀状】返信のマナーと寒中見舞いへの切り替え

お正月のポストを開ける楽しみの一つが年賀状です。最近ではSNSでの挨拶で済ませることも増えましたが、やはり手書きのメッセージが添えられたハガキをもらうと温かい気持ちになるものです。しかし、自分が出していなかった相手から年賀状が届いた場合、どのように対処すればよいか焦ってしまうこともあるでしょう。「いつまでに返せば失礼にならないのか?」「遅れてしまった場合はどう謝ればいいのか?」といった疑問は、多くの人が抱える悩みです。

ここでは、年賀状の返信期限や、期限を過ぎてしまった場合の「寒中見舞い」への切り替えタイミング、そして喪中の方から年賀状が届いてしまった場合の対応など、イレギュラーな事態にも対応できるマナーを解説します。年賀状のやり取りは、単なる形式的なものではなく、相手との縁を繋ぐ大切なコミュニケーションツールです。正しいマナーを知ることで、相手への敬意を示し、良好な関係を維持することができます。

年賀状の返信はいつまでに出すべき?松の内が期限

自分が出していない相手から年賀状が届いた場合、基本的には「すぐに返信の年賀状を作成して投函する」のがマナーです。この返信として出す年賀状が、相手に届く期限として意識すべきなのが「松の内」です。先述の通り、松の内は一般的に関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされています。郵便事情を考慮すると、関東の場合は遅くとも1月5日か6日にはポストに投函しなければ、松の内期間中に相手に届けることは難しいでしょう。

返信の年賀状には、新年の挨拶に加えて、「早々に年賀状をいただき、ありがとうございました」「新年のご挨拶が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます」といった一文を必ず添えましょう。また、日付は「元旦」と書くのは避け、「一月吉日」や「令和〇年一月」とするのが正しい書き方です。「元旦」は1月1日の朝を指す言葉なので、後から出す年賀状に使うのは矛盾が生じてしまうからです。相手を待たせてしまっている分、手書きのメッセージを一言添えるなど、丁寧な対応を心がけることで、遅れた非礼を補うことができます。

もし、どうしても忙しくて松の内に間に合わないと判断した場合は、無理に年賀状として出すのではなく、潔く「寒中見舞い」として出す準備に切り替えましょう。期限ギリギリに年賀状を出して、松の内を過ぎてから相手に届いてしまうのは、かえってマナー違反となる可能性があります。「1月7日(関西は15日)必着」を一つのデッドラインとして覚えておいてください。

期限を過ぎてしまった場合の対処法(寒中見舞い)

松の内を過ぎてから新年の挨拶を送る場合は、「年賀状」ではなく「寒中見舞い」という形式をとります。寒中見舞いを出す時期は、松の内が明けてから(1月8日または16日以降)、立春(2月4日頃)の前日までとされています。この期間であれば、季節の挨拶状として自然に受け取ってもらえます。寒中見舞いには、年賀ハガキではなく、通常のアリバイ官製ハガキや私製ハガキを使用し、切手も通常のもの(弔事用ではない綺麗な切手)を貼ります。間違っても余った年賀ハガキを使用しないように注意してください。これは非常に失礼にあたります。

寒中見舞いの文面構成としては、以下の要素を盛り込むのが一般的です。
1. 寒中お見舞い申し上げます(決まり文句)
2. 年賀状を頂いたお礼
3. 返事が遅れてしまったことへのお詫び
4. 相手の健康や風邪などへの気遣い
5. 自分の近況報告(簡潔に)
6. 日付(令和〇年一月)
これらの要素を組み合わせることで、相手への配慮が行き届いた文章になります。

例えば、「寒中お見舞い申し上げます。ご丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。年末年始の慌ただしさに取り紛れ、ご挨拶が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。厳しい寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。」といった書き出しで始めるとスムーズです。寒中見舞いは、年賀状の返信だけでなく、喪中の相手への挨拶や、喪中と知らずに年賀状をくれた相手への返信としても使われる万能な挨拶状です。大人のマナーとして、書き方をマスターしておくと非常に役立ちます。

喪中の人から年賀状が届いた場合の対応

稀に、喪中であるはずの方から年賀状が届くことがあります。これにはいくつかの理由が考えられます。一つは、相手が年末ギリギリに不幸があり、喪中ハガキ(年賀欠礼状)を出すのが間に合わなかった場合。もう一つは、相手が「寂しいお正月を過ごしたくないから、あえて年賀状を出した」という場合。あるいは、単にうっかり出してしまうというケースもあります。このような場合、こちらからどのように返信すべきか非常に迷うところですが、基本的には「寒中見舞い」で返事をするのが最も角が立たない方法です。

松の内を過ぎてから寒中見舞いとして出し、文面では「お年玉つき年賀はがき」などは使わず、落ち着いたデザインのハガキを選びます。内容としては、「年賀状をいただきありがとうございました」とお礼を伝えつつ、相手の心情に寄り添うような言葉を選びます。もし、相手が喪中であることをこちらが知らなかった場合は、「ご服喪中とは存じ上げず、年始のご挨拶を申し上げましたこと、深くお詫び申し上げます」といった一文を添えて、こちらから先に年賀状を送ってしまった非礼を詫びるのがマナーです。

逆に、相手が喪中であることを知っていて、あえて向こうから年賀状が送られてきた場合は、相手は「普段通りに接してほしい」と望んでいる可能性が高いです。その場合は、あまりお悔やみの言葉を強調しすぎず、温かみのある日常会話や近況報告を中心に書くと良いでしょう。いずれにせよ、相手の状況を察し、形式にとらわれすぎずに心を込めた返信をすることが、最も大切なことです。

【七草粥】1月7日の朝に食べる意味と作り方

お正月気分も抜けてくる1月7日。この日の朝食には、伝統的に「七草粥」を食べる風習があります。「なんとなく体に良さそうだから」という理由で食べている方も多いかもしれませんが、七草粥には深い歴史的背景と、現代人にも通じる健康への知恵が詰まっています。平安時代から続くこの行事は、一年の無病息災を祈るだけでなく、冬場に不足しがちな青菜を補給するという栄養学的な意味も持っていました。

このセクションでは、春の七草のそれぞれの意味や効能、そして忙しい現代人のための時短レシピを紹介します。また、スーパーで七草セットが売り切れていた場合の代用アイデアについても触れます。無理なく楽しく、季節の行事を食卓に取り入れてみましょう。

春の七草の種類とそれぞれの意味

春の七草とは、「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」の7種類の野草や野菜のことを指します。これらは早春にいち早く芽吹くことから、邪気を払う強い生命力があると信じられてきました。それぞれの草には、縁起の良い意味や薬膳的な効能が込められています。

名称(現代名)意味・由来期待される効能
セリ(芹)競り勝つ消化促進、食欲増進
ナズナ(ぺんぺん草)撫でて汚れを払う解熱、利尿作用
ゴギョウ(母子草)仏様の体咳止め、風邪予防
ハコベラ(繁縷)繁栄がはびこる胃炎改善、整腸作用
ホトケノザ(小鬼田平子)仏様の座る座胃腸の働きを整える
スズナ(カブ)神様を呼ぶ鈴消化不良、腹痛改善
スズシロ(大根)汚れのない清白風邪予防、美肌効果

このように、七草には胃腸を整えたり、風邪を予防したりする効果が期待できるものが多く含まれています。お正月の暴飲暴食で弱った胃腸には、まさにうってつけの「天然の胃薬」と言えるでしょう。特にスズナ(カブ)やスズシロ(大根)に含まれるジアスターゼは、消化を助ける酵素として有名です。先人たちは経験的に、冬の寒さと栄養不足を乗り切るために、これらの草の力を借りていたのです。

忙しい朝でも簡単!七草粥の時短レシピ

「朝からお粥を炊くなんて時間がない!」という方も多いでしょう。そこで、炊飯器や余ったご飯を使った時短レシピを活用するのがおすすめです。最も簡単なのは、前日の夜に炊飯器の「おかゆモード」をセットしておく方法です。洗ったお米と規定の水を入れ、刻んだ七草(スーパーのパックでOK)と塩少々を入れてタイマー予約をすれば、朝起きた時には熱々の七草粥が出来上がっています。七草の色を鮮やかに残したい場合は、七草だけ別茹でしておき、食べる直前に混ぜ込むのがプロの技ですが、家庭で食べる分には最初から入れてしまっても十分美味しいです。

また、冷ご飯を使う場合は、鍋にご飯と水を入れ、ほぐしながらコトコト煮込むだけで5分〜10分程度で完成します。中華だしや鶏ガラスープの素を少し加えると、中華粥風になり、子どもでも食べやすい味になります。トッピングに溶き卵を入れたり、梅干しや塩昆布を添えたりすると、飽きずに最後まで楽しめます。お正月のお餅が余っているなら、小さく切って一緒に入れて「七草餅粥」にするのも、ボリュームが出ておすすめです。

七草が揃わない場合の代用アイデア

1月7日の夕方スーパーに行ったら、七草セットが売り切れていた…という経験がある方もいるかもしれません。しかし、必ずしも正式な7種類が揃わなければいけないわけではありません。大切なのは「青菜を食べて無病息災を願う」という精神です。冷蔵庫にある身近な野菜で代用しても、十分に意味のある行事食になります。例えば、小松菜、ほうれん草、大根の葉、カブの葉、三つ葉、ネギ、春菊などが代用として優秀です。

これらを細かく刻んでお粥に入れれば、彩りも栄養価もバッチリの「我が家の七草粥」になります。また、フリーズドライの七草粥の素や、混ぜ込みご飯の素なども販売されているので、そういった便利商品をストックしておくのも一つの手です。行事というのは、形式にとらわれすぎてストレスを感じてしまっては本末転倒です。「あるもので工夫して、家族の健康を願う」という柔軟な姿勢で、季節の節目を楽しんでみてください。

意外と忘れがち?年始にやっておきたい家事・手続き

お正月イベントが一段落した頃に、ふと思い出すのが日常の雑事や事務的な手続きです。「あ、あの人にメール返してない」「飾りってどうやって捨てるんだっけ?」など、細かいけれど無視できないタスクが残っていることがあります。これらを後回しにすると、1月の後半までズルズルと未完了タスクを引きずることになり、スッキリとした気持ちで新年をスタートできません。

ここでは、お正月期間の最後に片付けておきたい「残務整理」のようなタスクをピックアップしました。お正月飾りの正しい処分方法から、家計簿のスタートまで、これをクリアすれば本当の意味で「お正月終了」と言えるでしょう。リスト感覚でチェックして、一つずつ確実にこなしていきましょう。

お正月飾りの片付け・処分のタイミング

門松、しめ縄、鏡餅の飾りなど、お正月を華やかに彩ってくれた飾り物は、松の内が明けたら速やかに片付けます。処分の方法は、大きく分けて2通りあります。一つは、神社で行われる「どんど焼き(左義長)」に持参してお焚き上げしてもらう方法です。これが最も丁寧で伝統的な方法ですが、日程が決まっていたり、プラスチック製の飾りが不可だったりと制約もあります。神社の掲示板や回覧板などで日程を確認し、指定された日時に持参しましょう。

もう一つは、家庭ごみとして処分する方法です。現代の住宅事情ではこちらが一般的になりつつあります。この場合、そのままゴミ箱に捨てるのではなく、感謝の気持ちを込めて「お清め」をするのがマナーです。大きめの紙(新聞紙や半紙)を用意し、飾りを置いたら塩を左・右・左と振って清めます。その後、紙で丁寧に包み、他のゴミとは別の袋に入れて、地域の分別ルールに従って出します。こうすることで、神様に対して失礼にならず、気持ちよく処分することができます。来年も使う予定の飾り(プラスチック製の鏡餅のケースなど)は、綺麗に拭いてから乾燥させ、防虫剤と一緒に箱に入れて保管しましょう。

年間の家計簿・貯金計画のスタート

「一年の計は元旦にあり」と言いますが、家計管理においても1月は絶好のスタートタイミングです。お正月にお金を使いすぎてしまったという反省も含めて、今年の貯金目標や予算を立ててみましょう。まずは、年末年始にかかった特別費(お年玉、帰省費、交際費など)を集計し、来年のために記録しておきます。これだけでも、来年の年末に「いくら用意しておけばいいか」が明確になり、慌てずに済みます。

また、新しい家計簿アプリをインストールしたり、手帳に家計簿コーナーを作ったりするのもおすすめです。最初から細かくつけすぎると挫折の原因になるので、「食費と固定費だけ記録する」「レシートを箱に入れるだけ」といった簡単なルールから始めるのが長続きのコツです。1月に良いお金の流れを作ることができれば、その年一年間、安定した家計運営ができる可能性が高まります。まずは「去年の貯蓄額の確認」と「今年の貯蓄目標額の設定」の2つだけでも行ってみてください。

喪中の時は「あけましておめでとう」と言ってはいけないのですか?

はい、控えるのがマナーです。喪中は「お祝い事」を避ける期間ですので、「おめでとう」という言葉は使いません。代わりに「おはようございます」や「本年もよろしくお願いいたします」といった挨拶を使います。相手から言われた場合は、軽く会釈をするか、「今年もよろしくお願いします」と返すとスマートです。

お年玉を親戚の子どもにあげるのをやめたい時はどうすればいいですか?

一方的にやめると角が立つため、親同士で話し合うのがベストです。「子どもが成人したから」「お互い様だから今年で終わりにしよう」と提案してみましょう。または、「高校卒業まで」など年齢で区切りをつけるのが一般的でスムーズな方法です。

七草粥は夜に食べても効果はありますか?

伝統的には朝ですが、夜に食べても栄養価や胃腸を休める効果に変わりはありません。現代のライフスタイルでは、家族が揃う夕食時に食べる家庭も増えています。「一年の健康を願う」という気持ちがあれば、朝でも夜でも問題ありません。

まとめ

お正月期間中は、楽しいイベントが多い反面、伝統的なマナーや期限のあるタスクも多く、意外と気が抜けません。しかし、一つ一つの行事には「家族の健康を願う」「人との縁を大切にする」といった素敵な意味が込められています。最後に、今回ご紹介した「やるべきこと」のポイントを振り返ってみましょう。

これらのポイントを押さえておけば、忙しい年始も焦ることなく、心穏やかに過ごすことができるはずです。完璧を目指す必要はありません。できる範囲で季節の行事を取り入れ、新しい年を気持ちよくスタートさせてください。皆様にとって、今年一年が素晴らしい年になりますように。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次